インドネシア領パプアの武装勢力、国軍兵士ら13人を射殺と主張

人質に取られているニュージーランド人パイロット(写真中央)=TPNPBが2月14日に発表した写真/HANDOUT/The West Papua National Liberation Army/Reuters

2023.04.18 Tue posted at 11:26 JST

(CNN) インドネシア東部、ニューギニア島パプア地方の武装勢力が、国軍兵士ら少なくとも13人を殺害したと主張している。

パプア地方の分離独立を掲げる「西パプア民族解放軍(TPNPB)」は声明で、先週末にンドゥガ地区にある軍の駐屯地2カ所を襲撃し、このうち1カ所で兵士と警官13人を射殺したと述べた。1人の遺体は軍が運び出したが、残る12人の遺体は手元にあるという。証拠は提示していない。

パプア地方では2月にニュージーランド人のパイロット、フィリップ・メーテンズ氏がTPNPBに拘束され、人質になった。

インドネシア軍の報道官は16日の記者会見で、同氏の居場所とみられる地区を捜索していた兵士らのうち1人が死亡し、ほかに数人が行方不明になっていることを認めた。現地は天候の変化が激しく、兵士らの捜索は難航しているという。


メーテンズ氏は2月に遠隔地の空港に着陸した後、人質に取られた/West Papua National Liberation Army

TPNPBはまた、ンドゥガ地区で3月に妊婦と戦闘員2人が軍に殺害されたことへの報復として、16日にもう1カ所の駐屯地を攻撃し、兵士9人を殺害したと発表した。

炎上するニュージーランド人パイロットの機体を捉えた写真。武装勢力が公開した

軍報道官は3月の攻撃を否定し、TPNPBに追われた市民らを保護していただけだと説明した。

TPNPBは、2カ月前にニュージーランド、インドネシア両政府に和平交渉を提案する書簡を送ったが、無視されていると主張。ニュージーランドと国連にはインドネシア政府に軍の作戦をやめさせる責任があるとして、中立的立場の国連機関による仲介を呼び掛けた。

インドネシア政府はTPNPBをテロ組織に指定している。TPNPBは当初、メーテンズ氏の解放条件として政府がパプア地方の独立を認め、撤兵することを求めたが、この要求は取り下げている。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。