香港(CNN) 中国の首都北京など北東部が10日から11日にかけて大規模な砂嵐に見舞われ、基準値をはるかに上回る大気汚染が観測された。
国営メディアによると、砂嵐は先月10日からの1カ月で4回目、今年の合計は8回目。
北京市内の写真には、オレンジ色の砂煙に包まれた街の様子が映っている。
市当局は住民に、窓を閉めてマスクやフェースシールドを着用するよう勧告。高齢者や子どもは屋内で過ごし、健康な大人も屋外での活動を控えるよう呼びかけた。
北京市の環境監視センターによると、10日午後の時点で大気中の粒子状物質、PM10の濃度が1立方メートルあたり1321マイクログラムに達した。この数値は、世界保健機関(WHO)が基準とする1日の平均値、同45マイクログラムの30倍近くに上る。
さらに粒の小さい微小粒子状物質、PM2.5の濃度も、48時間のうちに何度か危険なレベルに達したとされる。砂嵐は11日の時点で沈静化に向かっている。
今年最大の砂嵐は先月22日に発生し、PM10が同1667マイクログラムを記録した。
今回の被害は中国最北端の黒竜江省から沿岸部の上海まで、広い範囲に及んでいる。当局によれば、隣国モンゴル南部と内モンゴル自治区西部の黄砂が、気流に乗って南東方向へ運ばれたとみられる。