香港(CNN) 中国で20年近く人権のために闘ってきた弁護士の許志永氏(50)が10日、懲役14年の実刑判決を言い渡された。
同氏の長年のパートナーだった人権弁護士の丁家喜氏(55)も、「国家権力の転覆罪」に問われて12年の懲役を言い渡された。2人の釈放を訴えてきた米国在住の丁氏の妻が明らかにした。
2人の裁判は1年近くにわたって中国東部・山東省の裁判所で別々に行われ、「国家機密にかかわる」との理由から非公開とされていた。2人とも国家権力の転覆罪に対して無罪を主張していた。
両氏は2019年12月、南東部の都市アモイで開かれた私的な集会に活動家と共に参加して、当局に拘束された。
ようやく弁護士との面会が認められたのは、拘束のおよそ1年後だった。
21年初め、許氏は紙とペンを使った筆記が認められなかったことから、声明を弁護士に書き取ってもらい、民主的で自由かつ公正な中国に関する自身の信念や展望を訴えた。
「民主的な中国を我々の時代に実現しなければならない。この責務を次の世代に負わせてはならない」。許氏は判決の言い渡しを数日後に控え、丁氏の妻を通じて発表した声明でそう述べている。
判決言い渡しも非公開で行われた。丁氏の妻によると、弁護団から2人の判決文を入手することはできず、弁護団がマスコミの取材に応じることも許されなかった。判決文を公表することは厳格に禁止されており、公表すれば弁護士の資格を取り消されるという。
両氏は過去にも、許氏が立ち上げた「新公民運動」にかかわった罪で服役していた。
2人に長期の懲役刑が言い渡されたことを受け、家族や支援者には衝撃が広がっている。