高齢夫婦、フグを食べて死亡 ネットで買って自分で調理 マレーシア

まな板に乗せられたフグ=東京の飲食店/YOSHIKAZU TSUNO/AFP/Getty Images

2023.04.11 Tue posted at 10:44 JST

(CNN) マレーシア南部のジョホール州で、フグを購入して食べた高齢の夫婦が死亡した。娘は記者会見を開き、こうした事態の再発を防止するため法律の強化を訴えている。

ジョホール州当局によると、80代前半の夫婦は3月25日、そうとは知らずにネット通販でフグ少なくとも2匹を購入。フグを揚げて昼食に食べた妻は、呼吸困難と震えの症状に見舞われた。夫にも食事の1時間後に同じ症状が表れた。

2人とも病院に搬送されて集中治療を受けたが、妻は現地時間の午後7時に死亡。夫は昏睡(こんすい)状態に陥って容体が悪化し、4月8日に死亡した。

夫婦の娘は9日、葬儀を前に両親の自宅で記者会見を開き、「法に基づき彼らを死亡させた者の責任を問うべきだ。当局による捜査の迅速化を望む」「こうした事態の再発を防ぐため、マレーシア政府はフグの毒に関する周知を徹底させてほしい」と訴えた。

タイ近海に生息するフグ=2022年12月22日

マレーシアの近海には少なくとも30種のフグが生息している。

フグのような毒をもつ有害な食品の販売は法律で禁じられており、違反すれば1万マレーシア・リンギット(約30万円)の罰金または2年以下の禁錮を言い渡される可能性がある。

しかし専門家によると、マレーシアの鮮魚市場でフグが売られていることも多く、珍しい魚として消費者の目を引く傾向があるという。

「洗って切り身として販売されれば、自分が買った魚の種類を一般人が見分けることはほぼ不可能」と専門家は指摘し、当局がフグの危険性について周知を徹底させるとともに、販売業者や供給業者を認定する制度を検討する必要があるかもしれないと話している。

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