体を丸めて転がりながら逃げるヘビ、研究チームが遭遇

東南アジアに生息する小型ヘビが体を丸めて転がる行動が観察された/Eng Wah Teo/Alamy Stock Photo

2023.04.06 Thu posted at 12:46 JST

(CNN) 東南アジアに生息する小型のヘビが、体を丸めて転がりながら逃げる行動が観察されたとして、マレーシアなどの研究チームが5日の学会誌に発表した。

この行動が観察されたのは、東南アジアのタイ、マレーシアの半島部、シンガポール、インドネシアのスマトラ島とボルネオ島、フィリピンに生息する小型のナミヘビ科のヘビの仲間。夜行性で日中は落ち葉や岩などの下に隠れているが、それでも鳥やサンゴヘビなど別の種類のヘビに襲われることがある。

小型のヘビは、カムフラージュや色、臭い、死んだふり、威嚇、さらには逃げるといったさまざまな手段で天敵から身を守る。

研究チームは別の爬虫(はちゅう)類や両生類の調査を行っていたところ、「体を丸めて輪になって転がりながら逃げようとする」小型のナミヘビに遭遇。このヘビは5秒足らずで道路上を1.5メートル移動して見せたという。

論文によれば、「このヘビは体を丸めて斜面を転がることでスピードを上げ、速攻で距離を確保した。捕獲して道路脇の平らな場所に置くと、体を丸めて転がる行動を何度も繰り返した」という。

ヘビが体を丸めて転がる様子を捉えた写真

研究者は過去にもこの行動を目撃したことがあるといい、今回は研究チームが動画で記録。「体を丸めて宙に跳ね上げては斜めに転がり落ちる行動を繰り返すことで、側転を実演していた」と伝えている。

丸まって逃げる行動はガの幼虫や砂漠に生息するクモなどの無脊椎(せきつい)動物では記録されているものの、ほかの種類のヘビや爬虫類でこうした行動が観測されたことはなかったという。

ヘビは通常、身の危険を感じて逃げようとする際に、こうした変わった動きをすることがある。天敵を驚かせて惑わそうとしている可能性もあると研究者は推測している。

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