パリのレンタル電動キックボード、住民の90%が禁止を支持

指定の場所に止められた3社の電動スクーター=3月31日、パリ/Michael Evers/picture alliance/Getty Images

2023.04.04 Tue posted at 11:26 JST

パリ(CNN) フランスの首都パリでレンタル電動キックボード禁止の是非を問う住民投票が行われ、90%以上が禁止を支持した。

住民投票は市が2日に実施した。ただ、投票率は非常に低く、203カ所の投票所で投票を済ませたのは有権者の7.46%にとどまった。

パリのアンヌ・イダルゴ市長は記者会見で「9月1日、パリのレンタルスクーターがなくなる。これは地元の民主主義の勝利だ」と語った。

レンタル電動キックボードの禁止は、サービス運営業者の契約が切れる8月末から施行される。個人が所有する電動キックボードは対象外。

住民投票の結果を受けて同サービスを運営するドットは3日、「真に影響を受けるのは月間40万人の利用者と、パリのドットの従業員800人だ」とRMCラジオに語り、レンタルサービスがなくなれば公共交通機関が混雑して個人の車が増えると強調した。

電動スクーターに乗る女性=4月1日、パリ

ここ数年、パリ市は自家用車を減らしてそれ以外の移動手段を普及させる狙いでさまざまな対策を打ち出している。自転車レーンの設置や市が補助金を拠出するレンタル電動自転車、公共交通機関の改善、レンタル電動キックボードなどは全て、そうした対策の一環だった。

市によると、2012年半ばから22年半ばにかけ、パリの道路の交通量は33%減少した。

しかし昨年11月に発表された医学会の報告書は、電動キックボードを「真の公衆衛生問題」と形容し、キックボード絡みの事故と、重傷者数の大幅な増加との関係を指摘していた。

警察によると、21年から22年にかけ、電動スクーターや電動スケートボードなど「電動式個人輸送装置」が関係する衝突事故の件数は、3分の1近く増えて516件となり、3人が死亡した。

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