(CNN) ロシア・サンクトペテルブルクのカフェで爆発が起き、極端な国家主義を掲げる軍事ブロガーのウラドレン・タタルスキー氏が死亡した事件で、ロシア連邦捜査委員会は3日、ダリヤ・トレポワ容疑者を逮捕したと明らかにした。
国営メディアによると、これに先立ち、トレポワ容疑者は爆発に関係する容疑者として指名手配されていた。事件では少なくとも32人が負傷した。
ロシア捜査委員会はSNSのテレグラムで、「サンクトペテルブルクのカフェで起きた爆発に関与した疑い」でトレポワ容疑者を拘束したと明らかにした。
ロシアは2日の爆発について、ウクライナ特殊機関の工作員や、収監中の反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の協力者が関与したと主張。トレポワ容疑者はナワリヌイ氏の団体「反汚職基金」の熱心な支持者だったとしている。
一方、ウクライナは今回の襲撃について多くを語らず、ロシア国内の内部抗争だと指摘した。ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は2日夜、ツイッターで「クモが瓶の中で共食いしている。国内テロが内部の政治抗争の道具になるのは時間の問題だった」と述べた。
タタルスキー氏はロシア有数の歯に衣(きぬ)着せぬ軍事ブロガーで、戦争を熱烈に支持する発言を行い、時にロシアの戦場での失態を批判していたことでも知られる。
ロシア国内の2組織は、トレポワ容疑者とのつながりを否定している。
ロシアの小政党「リバタリアン党」は3日の声明で、トレポワ容疑者が同党の党員や支持者だったことはないと説明。容疑者の夫は党員だが、長期にわたり国外に滞在し、容疑者の行動について知らないとも述べた。
ナワリヌイ氏の長年の協力者は、反汚職基金が爆発に関与したとの主張を否定した。