メキシコ移民施設の火災、死者40人に

建物から負傷した移民を運び出すメキシコ当局と消防士ら=27日/Jose Luis Gonzalez/Reuters

2023.03.29 Wed posted at 13:21 JST

(CNN) メキシコ当局者によると、同国北部チワワ州の米国境に近い町シウダーフアレスの移民施設で27日に発生した火災の死者は、28日までに少なくとも40人に達した。

火災は27日午後10時過ぎ、移民局(INM)が運営する収容施設の宿泊棟から発生。当局はこの直前、市内で移民の集団を拘束、連行していた。


夫が負傷したベネズエラ移民の女性/Jose Luis Gonzalez/Reuters

INMによると、施設には当時、中南米出身の男性68人が収容されていた。火災で29人が負傷し、地元の病院へ緊急搬送された。

中米グアテマラの移民当局は、死者のうち少なくとも28人が同国出身者だったことを確認した。

メキシコのロペスオブラドール大統領は、施設に収容されていた男性らが送還されると知って抵抗するため、入り口にマットレスを置いて火をつけたことが、予期せぬ結果を招いたとの見方を示した。

同氏はまた、収容者は中米や南米ベネズエラからの移民だったことが分かっているとしたうえで、死者の名前や国籍は正確に把握できていないと述べた。

連邦当局が詳しい経緯の調査に乗り出しているという。

負傷した移民が搬送された病院で警護するメキシコ国家警備隊員

INMは28日、火災での負傷者には1年間有効な滞在許可証を出す方針を明らかにした。


移民局(INM)の施設を撮影する移民/Jose Luis Gonzalez/Reuters

メキシコの米国境沿いでは最近、政治、経済情勢が悪化したベネズエラやキューバ、ニカラグア、コロンビアなどから米国へ逃れようとする移民が急増している。


移民の遺体近くに立った救急隊員ら/Jose Luis Gonzalez/Reuters

バイデン米政権は、トランプ前政権が新型コロナウイルス対策として導入した即時送還の措置が5月に失効するのと同時に、移民の流入を抑制する新たなルールを施行する見通し。これに対し、メキシコの負担が増すとの懸念が指摘されている。

メキシコ移民施設の火災、死者40人

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