(CNN) 米フロリダ州サラソタの空港で旅客機同士の異常接近があり、あと約14秒で衝突するところだったことが、米国家運輸安全委員会(NTSB)の暫定報告書で明らかになった。
異常接近があったのは2月16日。管制塔はエア・カナダ・ルージュA321便の離陸を許可した。ところがこの時、同空港に着陸しようとしていたアメリカン航空737便が、空港から約4.8キロの距離に迫っていた。管制塔は両機に対して互いの存在を知らせた。
アメリカン航空便は、離陸しようとするエア・カナダ・ルージュ便を見て、着陸を中断した。最接近時の両機の間の距離は1000メートルを切っていた。
米国の空港では今年に入り、この事案を含めて7件の異常接近が相次いだ。このうち6件についてNTSBが調査している。
相次ぐ事態を受けて米連邦航空局(FAA)は15日に対策会合を招集し、安全策の抜本的な見直しに着手した。
この会合に出席したピート・ブティジェッジ運輸長官は、問題の根本原因を突き止める必要があると指摘、「重大な異常接近が増えており、特に憂慮している」と述べた。
サラソタの事案調査では管制官から聞き取りを行い、操縦士がNTSBに報告を提出。NTSBは操縦士から聞き取りを行うかどうか検討している。
エア・カナダ・ルージュ便には194人が、アメリカン航空便には178人が搭乗していた。
今回のNTSBの暫定報告書は事実関係をまとめたもので、原因に関する結論は出していない。