列車衝突で抗議デモ続く、首相謝罪でも収まらず ギリシャ

列車の衝突事故をめぐり抗議デモを行う人々=5日、ギリシャ首都アテネ/Louisa Gouliamaki/AFP/Getty Images

2023.03.06 Mon posted at 12:09 JST

(CNN) 57人の死者を出したギリシャの列車衝突事故をめぐり、首都アテネで5日、再び大規模な抗議デモが行われ、警官隊とデモ隊が衝突した。

ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は声明を発表し、「我々は人為ミスの陰に隠れることはできない。隠れるつもりはなく、隠れてはならない」と強調したが、デモは収まらなかった。

350人以上の乗客を乗せた旅客列車と貨物列車の衝突は、2月28日夜にギリシャ中部テンピで発生。これを発端として、ギリシャの鉄道の安全基準に対する抗議デモが連日行われ、アテネでは警察が国会議事堂前に集まったデモ隊に対して催涙ガスを使用した。

デモ隊は「犯罪を覆い隠してはならない。我々は死者全員の声になる」などのスローガンを掲げていた。

一部のデモ隊と警官が衝突した

ミツォタキス首相は5日に発表した声明で、反対方向に動く2本の列車が「同じ線路上にいるのに誰も気づかないことなどあってはならない」と述べて謝罪した。

今回の事故について、直後は「悲劇的な人為ミス」と形容していたミツォタキス首相だが、5日の声明ではその見方を変え、ギリシャの鉄道に組織的な問題があることを示唆。数日中に発表を行って「直ちに鉄道の安全性を向上させる」と表明した。

統計で見ても、ギリシャの旅客列車は欧州のほかの国に比べて安全性が低い。欧州鉄道機関(ERA)の2022年の報告書によると、18~20年にかけての列車走行距離100万キロ当たりの死亡率は、欧州28国の中でギリシャが最も高かった。

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