列車衝突の死者57人に、首都で連日の抗議デモ ギリシャ

鉄道会社の本社前に集まったデモの参加者=1日、ギリシャ・アテネ/Socrates Baltagiannis/Anadolu Agency/Getty Images

2023.03.03 Fri posted at 10:43 JST

(CNN) ギリシャ中部テンピで起きた列車同士の衝突事故で、2日までに57人の死亡が確認された。事故を受けて首都アテネではデモ隊と警官隊が衝突し、同国の運輸相は辞任。鉄道従業員組合はストを実施している。

350人以上の乗客を乗せた旅客列車と貨物列車の衝突は、2月28日夜に発生。衝撃で車両は横転して炎上し、負傷者48人が入院している。公共放送ERTの2日の報道によれば、うち6人は頭部の負傷や重度のやけどのため重体となっている。


路上で機動隊と衝突するデモ参加者=1日、ギリシャ・アテネ/Socrates Baltagiannis/Anadolu Agency/Getty Images

アテネ中心部にある列車の運行会社ヘレニック・トレイン本社前では2日夕、再び学生や労組が組織する抗議デモが行われた。

この日はデモ参加者が集結する前から警察が出動した。1日のデモでは警官隊とデモ隊の衝突が起きていたが、2日のデモは平穏だった。

現地の病院がERTに語ったところによると、事故が起きたのは連休の直後で、巻き込まれた乗客のほとんどは若者だった。

捜索活動が行われる事故現場=1日、ギリシャ中部テンピ

消防によると、現場では2日から3日にかけても捜索救助活動が行われる。

現場に近いラリサの病院では、遺体の身元確認作業が続けられている。父と兄弟の安否が分からないという男性は、「誰も何も教えてくれない。実際には中に何人いたのか誰も知らない」と現地メディアに憤りをぶつけた。


事故現場を訪れたギリシャのミツォタキス首相=1日/Konstantinos Tsakalidis/Bloomberg/Getty Images

この事故の捜査に関連してラリサ市内の駅の駅長が逮捕された。この駅長については、赤信号を無視するよう列車の運転士に指示している音声が公開された。

ギリシャの鉄道労働者連盟は臨時会合を開き、劣悪な労働環境や慢性的な人員不足に抗議して、2日に24時間のストを実施することを全会一致で決めた。政府による鉄道の「軽視」が今回の事故を引き起こしたと訴えている。

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