G20外相会合、インドの外交力試される 米中ロの外相との会談も

G20外相会合がインドの首都ニューデリーで始まった/Sanchit Khanna/Hindustan Times/Getty Images

2023.03.02 Thu posted at 20:51 JST

ニューデリー(CNN) 主要20カ国・地域(G20)外相会合が2日、インドの首都ニューデリーで始まった。ロシアのウクライナ侵攻で国際的緊張が高まる中、インドの外交力が試されることになる。

G20の高官級協議は先月インド南部ベンガルールで開かれた財務相・中央銀行総裁会議に続き今年2回目。

インドのジャイシャンカル外相は2日に米中ロ各国の外相と会談し、共同声明の採択に向けた着地点を探る。

ウクライナ侵攻が引き起こした食糧やエネルギーの価格高騰は、既に費用の上昇やインフレに苦しむ消費者に追い打ちをかけている。インドはそうした状況下で、主に南半球の新興国や発展途上国を指す「グローバルサウス」の主導役になろうともくろんでいる。

モディ首相の開幕の演説にもそうした思いが前面に表れ、世界が多くの危機に直面する中、特に貧困国がその影響を受けていると指摘した。

昨年インドネシアで開催されたG20サミットでのモディ首相(左)とジョコ大統領

モディ氏は「この数年間の経験、金融危機、気候変動、パンデミック(世界的大流行)、テロリズム、戦争は、世界の統治が機能していないことを明確に示している」と発言。「我々はこうした機能不全の悲劇的結果を最も真に受けているのが途上国だという事実を認める必要がある」と続け、富裕国が引き起こした世界の温暖化の影響が特に深刻だと指摘した。

また、ウクライナでの戦争を念頭に、戦争行為が「深い世界的分断」を生んでいると認めた上で、「解決できない問題が解決できる問題の邪魔になることを許してはならない」と語り、相違を超えて協議を進めるよう各国外相に呼びかけた。

専門家は、インドが会議をまとめていく取り組みは、ウクライナ侵攻での分断で困難なものになっていると指摘する。

各国の立場の違いは先月の財務相・中央銀行総裁会議でも表面化。ロシアによる侵攻を批判する共同宣言の採択にロシアと中国は同意せず、結局議長国のインドが会議の概要と意見の相違を記した「議長総括」を出すにとどまった。

インドはこれまでロシアと西側の双方へのつながりを巧みにバランスを取りながら維持してきた。だがウクライナ侵攻が2年目に入る中、ロシアにさらに強硬な姿勢をとるよう、インドを含む国々への圧力は高まっている。

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