大浴場の湯の交換は年2回のみ、福岡の老舗旅館が謝罪

福岡県筑紫野市の「大丸別荘」/The Asahi Shimbun/Getty Images

2023.03.02 Thu posted at 11:13 JST

(CNN) 158年の歴史をもつ福岡県の老舗旅館で浴槽内からレジオネラ属菌が検出され、大浴場の湯を年に2回しか交換していなかったとして経営者が謝罪した。

CNN提携局テレビ朝日の報道によると、福岡県筑紫野市の「大丸別荘」は、保健所の検査で浴槽内から基準値の最大3700倍のレジオネラ属菌が検出された。

県条例によれば、浴場の湯は週1回の入れ替えを行う必要がある。しかし大丸別荘の経営者は、年に2回しか交換していなかったことを認め、山田真社長が2月28日の記者会見で深々と頭を下げて「申し訳ございません」と謝罪した。

レジオネラ属菌は、重い肺炎のレジオネラ症の原因となる病原菌で、この細菌が含まれる水滴を吸い込むと肺の感染症を引き起こす。感染した場合は抗生剤で治療できる。

この菌はシャワーヘッド、蛇口、浴槽、冷却塔、温水タンク、噴水、ビルの配管設備などで発生する。

記者会見で謝罪した「大丸別荘」の山田社長=2月28日

山田社長は記者会見の中で、お湯の交換の大切さは認識していなかったと述べ、「私自身の法律の認識が甘く、レジオネラ属菌はどこにでもある一般細菌という安易な考えで、また、大浴場は掛け流しなのでかなりお湯が入れ替わっているから大丈夫と考えておりました」と釈明した。

大浴場は昨年、レジオネラ属菌が検出されたことを受けて一時的に使用を中止したが、その後全面的に営業を再開している。山田社長はレジオネラ属菌が検出された後も、自身もこの浴場を使っていたと話している。

さらに、消毒用の塩素注入も怠っていたと山田社長は述べ、その理由については「塩素の臭いが体質に合わず嫌いという身勝手な理由でございました」と語った。

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