(CNN) インド南部ケララ州で、本物のゾウに代わって実物大のゾウのロボットが寺院の儀式に登場する。儀式に使われる動物については虐待の懸念が指摘されていた。
体高3.2メートルの実物大ロボットは、動物保護団体のPETAインド支部が寄贈した。同団体は発表の中で、これで動物虐待を伴わず、安全に儀式ができるとアピールしている。
PETAインド支部によると、インドで飼育されてるゾウのほとんどは、不法に飼育されたり許可なく別の州に派遣されたりしているという。
ゾウたちは金属製のかぎ針が付いた凶器で殴られるなど、過酷な扱いを受けているとPETAは指摘。長時間にわたってコンクリートに縛り付けられ、足に痛々しいけがを負っているゾウも多いという。
適切な量の餌や水を与えられないゾウや、獣医師の手当てを受けられないゾウは、暴れたり、脱走しようとしたりすることもある。結果として動物や人を傷つけたり、器物を損壊したりしてしまうとPETAは言い添えた。
2月26日には地元の指導者らが出席して、寄贈されたロボットを寺院に納める宗教行事が行われた。
同寺院の住職はロボットの寄贈に謝意を述べ、「これで虐待を伴わずに儀式やお祭りができる。ほかの寺院も生きたゾウの入れ替えを検討してくれることを期待する」とコメントしている。
ロボットのゾウは生きているゾウの代わりに宗教儀式に使用される/PETA India
PETAインド支部によれば、ケララ州では1997年~2012年の15年間で、飼育されているゾウによって526人が命を落とした。