米大統領選巡る虚偽の主張、FOXニュース司会者らが「支持していた」 マードック氏認める

FОXニュース司会者らが米大統領選巡る虚偽の主張を「支持していた」とマードック氏/Jakub Porzycki/NurPhoto/Getty Images

2023.02.28 Tue posted at 16:14 JST

ニューヨーク(CNN) 米マスメディア企業FOXコーポレーションのルパート・マードック会長は、FOXニュースの番組司会者の一部について、2020年大統領選が盗まれたものだとする虚偽の主張を支持していたことを認めた。

大統領選で使用された投票集計機のメーカー、ドミニオン・ボーティング・システムズがFOXニュースを訴えている裁判の証言録取で述べた。

法廷文書を通じて公になった証言録取の中でマードック氏は、右派の立場をとるFOXニュース全体がトランプ前大統領による選挙にまつわる虚偽を支持していたとの見方を拒絶した。ただショーン・ハニティー、ジェニー・ピロ、マリア・バーティロモの各氏、さらに元司会者のルー・ダブズ氏が、選挙に関する虚偽を広めたことを認めた。

文書によると、番組司会者らの選挙を巡る放送中の立ち位置について問われたマードック氏は「一部のコメンテーターは(虚偽の主張を)支持していた」「今振り返れば、もっと強い姿勢でそれを非難していればよかった」と述べた。

またマードック氏は、FOXニュースの司会者、タッカー・カールソン氏の番組に大統領選に関する陰謀論を唱える実業家のマイク・リンデル氏を出演させたのは「間違い」だとも述べた。リンデル氏は21年1月の同番組出演時、ドミニオンに対する非難を繰り返したという。

リンデル氏の出演を許可し続けた理由を問われると、ビジネス上の判断だったと答えた。

マードック氏は不正選挙を訴える人物の番組出演も「止めなかった」と証言した

マードック氏はこのほか、弁護士のルディ・ジュリアーニ氏やシドニー・パウエル氏の番組出演も止めることが可能だったと明かした。両氏は当時トランプ氏とその陣営の弁護士を務めており、選挙の不正を訴えていた。

「(出演を止めることは)可能だったが、実際にはしなかった」(マードック氏)

FOXニュースは27日に声明を出し、ドミニオンの訴訟について、法律や事実関係の精査に耐え得るかどうかよりも注目を集めることに主眼を置いていると非難。略式判決を求める同社の申し立ては過激で、名誉毀損(きそん)法による裏付けがないとした。

また現職の大統領が唱える主張について報道、言及したとの理由でFOXニュースを公然と中傷することは、言論の自由に対するあからさまな侵害と認識されるべきだと付け加えた。

FOXコーポレーションも文書を通じ、ドミニオンは自分たちの怪しげな説を裏付ける証拠を何一つ示さないと主張。証拠が出ていないにもかかわらず、FOXコーポレーションの高位の経営幹部らが大統領選を巡る虚偽の創出と宣伝に直接的な役割を果たす選択をしたことにされていると指摘した。

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