豪ブリスベン(CNN) 化石燃料を原料とする使い捨てプラスチックの廃棄物が、全世界合計で記録的なレベルに達していることが分かった。
オーストラリアの慈善団体「ミンダルー財団」が2021年の状況をまとめ、6日に「プラスチックごみメーカー指数」の報告書を出した。
同指数が発表されたのは19年に続いて2回目。21年に世界で排出された使い捨てプラスチックの廃棄量は1億3900万トンと、1回目を600万トン上回った。
21年までの2年間に排出されたプラスチックごみは、1人当たり1キロ近く増えた。ラップなど柔軟性のある包装材の需要が高まっているためとされる。
一方で、プラスチックのリサイクルは生産量に追いついていないことが確認され、使用後は埋め立て地や海岸、河川や海の中などに廃棄される可能性が高いことも分かった。
報告書は、石油化学業界でプラスチックを大量にリサイクルしている企業として台湾の遠東新世紀と、インドネシアのインドラマ・ベンチャーズを挙げた。
インドラマ・ベンチャーズは一方で、使い捨てプラスチックに使われるバージンポリマーの生産でも世界4位に入っている。上位3社は米エクソンモービル、中国のシノペック、米ダウの順だった。
使い捨てプラスチック用バージンポリマーを生産する上位20社が排出した温室効果ガスは合わせて4億5000万トンと、英国全体の排出量とほぼ並ぶ規模だった。
多くの国で使い捨てのプラスチック製品が使用されている/Adobe Stock
国連環境総会(UNEA)は昨年、プラスチック汚染について法的拘束力のある世界初の条約を作ることに同意した。24年の期限に向け、政府間委員会が草案作りに取り組んでいる。