(CNN) 北京に住む若い女性の友人が、1人、また1人と姿を消した。友人たちは数週間前、追悼集会に参加した後、警察に連行されていた。女性は自分の番が近づきつつあると感じていた。
「この動画を撮影した時点で、既に友人4人が連れ去られました」。26歳の女性は12月に撮影された動画の中で、カメラに向かってそう語っていた。CNNはこの動画を入手した。
「私は何人かの友人に託し、私が消えた後にこの動画を公開してもらうことにしました。つまり、あなたがこの動画を見ているのなら、私はしばらく前に、警察に連行されたと思ってください」
女性は新卒で出版社の編集者を務めている。仕事をもつ若い女性を中心に、この女性を含む仲間うちの8人が、昨年11月27日に北京で行われた平和的な抗議デモから数週間の間に、当局によって密かに拘束されていたことが、CNNの取材でわかった。
当時、中国では厳格な「ゼロコロナ」政策に対して国民の不満が噴出し、全土の主要都市で抗議デモが相次いでいた。
CNNは、この8人のうち2人が、春節を控えた19日~20日にかけて保釈されたことを確認した。このうち1人については弁護士が釈放されたことを確認したが、訴追されたのかどうかは明らかにしていない。もう1人については関係者が確認した。
残る6人については釈放されているのかどうか確認できなかった。
関係者が20日に語ったところによると、拘束された若い女性のうち、動画を撮影した編集者を含む2人は、「けんかを売って騒ぎを引き起こした」罪で訴追された。いずれも20日の時点で保釈は認められておらず、このまま裁判にかけられる可能性がある。
抗議デモに関連して拘束された人数は分かっていない。
デモ参加者の拘束について北京当局の公式な言及はなく、北京市公安局にファクスでコメントを求めたCNNの取材にも返答はなかった。
11月27日の抗議デモの後、数週間の間に密かに行われた参加者の拘束は、中国共産党があらゆる形の反対意見や言論の自由を封じ込めるために手段を辞さないことや、脅威とみなした現象に対して用いる手段に関して身の毛がよだつような現実を見せつけている。
次々に姿を消した友人、「次は私の番」