(CNN) フォークロックのパイオニアであり、バンドのザ・バーズ、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの創設メンバーとして知られる米歌手・ソングライターのデービッド・クロスビーさんが死去した。81歳だった。家族が19日に明らかにした。
家族の広報担当者を通じてCNNが入手した声明によると、クロスビーさんは長く病を患った後で、妻や仲間にみとられて息を引き取ったという。CNNはクロスビーさんの代理人にコメントを求めたが返答はなかった。
クロスビーさんは1991年にザ・バーズで、97年にクロスビー・スティルス・ナッシュでそれぞれロックンロールの殿堂入りを果たした。
(左から) デービッド・クロスビーさん、グラハム・ナッシュさん、スティーブン・スティルスさん/Tom Copi/Michael Ochs Archives/Getty Images
カリフォルニア州でアカデミー賞受賞歴を持つ撮影監督、フロイド・クロスビーの息子として生まれたクロスビーさんは、60年にサンタバーバラからロサンゼルスに移り住んだ。当初は俳優になるつもりだったが、63年にロジャー・マッギン、ジーン・クラークとザ・バーズを結成。「ターン・ターン・ターン」などのヒット曲を飛ばし、65年にグラミー賞の新人賞にノミネートされた。
その後組んだクロスビー・スティルス・ナッシュは70年に同賞の新人賞を獲得している。
同バンドは69年のウッドストック・フェスティバルでのライブをきっかけに人気を獲得。翌年にはニール・ヤングが加入し、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの名で知られるようになる。
ソロとしても活躍したクロスビーさんはキャリアを通じて多くの大物ミュージシャンと仕事をした。そこにはグレイトフル・デッドのジェリー・ガルシア、ビル・クロイツマン、フィル・レッシュのほか、キャロル・キング、ジョニ・ミッチェルらが名を連ねる。
米ハーバード大学の学生に対して講演を行うデービッド・クロスビーさん=2018年9月25日、米マサチューセッツ州ケンブリッジ/Paul Marotta/Getty Images
近年は自身の健康問題について公言するようになっていた。94年に肝臓移植手術を受けたほか、心臓の疾患や糖尿病も患っていると明かした。
2021年のNME誌のインタビューでは、音楽を作り続けることで「命をつなぎ止めている」とし、高齢になってもなお多くの音楽を作る機会を与えられているのは「とんでもない奇跡だ」と語っていた。