（ＣＮＮ） オリンピックで通算８個の金メダルを獲得したジャマイカの元陸上男子短距離選手ウサイン・ボルトさん（３６）の口座から１２７０万ドル（約１６億円）あまりがなくなっていると、ボルトさんの弁護士が訴えている。ジャマイカの警察や政府は詐欺事件として捜査に乗り出した。
ジャマイカ金融捜査局は、ボルトさんなどの口座に関連した詐欺の疑いがあるとして、資産管理会社のストック＆セキュリティーズ（ＳＳＬ）に対する捜査を行っていることを確認した。
ボルトさんの弁護士が１７日、ロイター通信に語ったところによると、ボルトさんのＳＳＬの口座の残高が、何の理由もないままわずか１万２０００ドルに減っていることが分かり、ボルトさんが１２７０万ドルの返還を求めた。回収できない場合は法的措置を検討するとしている。
ボルトさんの代理人もＣＮＮの取材に対し、詐欺の疑いでＳＳＬに対する捜査が行われていることを確認した。ただ、ボルトさんの口座からなくなった金額は確認できないとした。
ロンドン五輪の陸上男子４００メートルリレーに出場したボルトさん（中央右）
ジャマイカの金融サービス委員会（ＦＳＣ）は１７日、ＳＳＬを一時的に同委員会の管理下に置いたと発表。１８日に開いた記者会見で、ＳＳＬの顧客関係マネジャーによる詐欺の疑いがあると語った。
ロイター通信によると、ＳＳＬは今月１２日に発表した声明で、元従業員による詐欺行為が発覚し、捜査当局に通報したと説明した。
ボルトさんは２００８年の北京五輪、１２年のロンドン五輪、１６年のリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得。１７年に現役を引退した。