(CNN) ウクライナ保安局(SBU)は19日までに、同国中部の都市ドニプロの集合住宅を今月14日に襲ったロシア軍のミサイル攻撃に触れ、使われたのは巡航ミサイル「Kh22」だったことを確認したと報告した。
現場で着弾した兵器の残骸を調べた末の結論とした。また、初期段階の調査結果として、この攻撃に関与したとするロシア軍の6人の身元も割り出したと述べた。
一方、ウクライナ空軍司令部は先に、レーダーでこのミサイルのおおよその発射場所、飛行の高度や速度を探知したとし、Kh22ミサイルであることに間違いないと分析していた。
ウクライナ空軍はこの種のミサイルを撃墜し得る防空能力を持たないとも指摘。SNS上でロシアの侵攻開始以降、このタイプのミサイルは210発以上撃ち込まれたが迎撃した事例はないとも認めた。
空軍報道官は、Kh22はロシアの長距離爆撃機「Tu22M3」がロシア西部クルスク州とアゾフ海から発射しているとも説明。14日の攻撃では計5回の発射があったともした。
同ミサイルは対艦ミサイルとして当初開発され、旧型であり他の大半の最新型と比べ命中精度も劣る。西側諸国の軍事専門家らによると、正確な直撃の精度は約500メートル内となっている。
CNNは昨年6月、ウクライナ中部ポルタワ州クレメンチュクのショッピングモールへの攻撃ではKh22ミサイルが使われたと報じていた。
この中で、ロシアのペスコフ大統領報道官は14日のドニプロ市へのミサイル攻撃に触れ、ウクライナの防空ミサイルが直撃したものと主張したが、その根拠には触れなかった。
このミサイル攻撃では40人以上の死者が出ており、ウクライナ戦争における民間施設への単発の攻撃では最悪の被害ともなっている。