観光都市でも反政府デモ 1人死亡、警官19人負傷 ペルー

ペルーの機動隊と衝突する抗議者=11日、ペルー・クスコ/Ivan Flores/AFP/Getty Images

2023.01.13 Fri posted at 10:00 JST

(CNN) 南米ペルーの観光都市クスコで警官隊と反政府デモ隊の衝突があり、デモ参加者少なくとも1人が死亡、警官少なくとも19人が負傷した。

内務省の発表によると、デモ隊は11日、夜間外出禁止令が出ている最中に、アレハンドロ・ベラスコ・アステテ国際空港に侵入しようとした。負傷した警官は頭部のけがや打撲傷などを負っているという。

この衝突で、先住民の関係者が死亡したと伝えられている。ペルーでは左派のペドロ・カスティジョ前大統領の罷免(ひめん)を発端として各地で抗議デモが相次ぎ、地元オンブズマン当局によると、昨年12月以来の死者はこれで48人になった。


アレハンドロ・ベラスコ・アステテ国際空港への道が封鎖され対峙するデモ参加者と警察=ペルー・クスコ/Michael Bednar/Getty Images

内務省によると、クスコの保健当局は同地の全医療機関に厳戒態勢を敷いている。

ロイター通信によると、南部プーノ県のフリアカでは、死者をいたんで数千人が棺(ひつぎ)をかついで市内を行進し、犠牲者の遺影を添えて埋葬した。フリアカでの死者は、犠牲者のほぼ半数を占める。

デモ参加者に催涙ガス弾を向ける警官=ペルー・クスコ

プーノ県では市民が黒い旗を掲げてデモ行進し、「流血を忘れてはならない」と叫ぶ参加者もいた。

ペルーの検察は10日、全土で死者を出している衝突をめぐり、ディナ・ボルアルテ大統領や閣僚に対する捜査に着手した。

デモ隊はボルアルテ大統領の辞任、議会の解散、憲法改正、カスティジョ前大統領の釈放などを求めている。

しかし10日の議会で行われた信任投票では政府側が大差で信任を勝ち取り、内閣改造や首相の辞任は免れた。

プーノ県では9日以来、デモに関係する死者が少なくとも18人に上っている。この中には、デモ隊に放火されて死亡した警官1人も含まれる。

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