自らの個人事務所に機密文書含む政府記録持ち込み、バイデン氏「驚いた」

自身の個人事務所から機密文書が発見されたことについて、記者団に答えるバイデン氏/Jim Watson/AFP/Getty Images

2023.01.11 Wed posted at 14:48 JST

(CNN) 米国のバイデン大統領は10日、自身が副大統領だった時期の政府記録が自らの個人事務所へ持ち込まれていたことは知らなかったと述べた。これらの記録は、複数の機密文書を含んでいた。

メキシコ、カナダとの3カ国の首脳会談で訪れたメキシコ市で、記者団の質問に対して答えた。「何らかの政府記録があの事務所に持ち込まれたと知って驚いた」という。

米首都ワシントンにある当該の事務所で見つかった文書について、バイデン氏は内容を把握していないと強調した。事務所はバイデン氏がペンシルベニア大学の名誉教授を務めていた時に使用していたとされる。

CNNはこれに先駆け、事情に詳しい情報筋2人の話を引用し、バイデン氏とホワイトハウスの法務チームは機密文書を見直しておらず、具体的な中身について把握していないと報じた。

事情に詳しい情報筋1人によると、バイデン氏が当該の文書の所在を認識したのは、自身の弁護士らがホワイトハウスの弁護士のオフィスに連絡を入れた後だったという。バイデン氏が文書の内容を知らない理由については、司法省が依然として事態を注視する中で同氏のチームが介入したと捉えられるのを警戒しているためだと、この情報筋は説明した。

自身の個人事務所から機密文書が発見されたことについて、記者団に答えるバイデン氏

ホワイトハウスによれば、当該の文書は昨年11月2日、バイデン氏の個人弁護士らがオフィスを引き払う際に発見した。弁護士らは国立公文書記録管理局(NARA)に連絡し、翌日文書を引き渡した。弁護士らは依然、この件を調査するシカゴの連邦検察に協力しているという。

バイデン氏は自身の弁護士らについて、NARAへ即座に連絡したとして「するべきことをした」と評価。「人々は私が機密文書、機密情報を真剣に考えていることを知っている」とした上で、当該の文書は「箱、施錠されたキャビネットに収められ、少なくともクローゼットの中にあった」と付け加えた。

ホワイトハウスの弁護士事務所の報道官は、機密文書の発見を11月の時点で公表しなかった理由を問われ、現時点で多くを語れないと回答。司法省が事態を調査中だというのがその理由で、今後「さらなる詳細」が共有される可能性もあると述べた。

ホワイトハウスは電話を通じて主要な政権支持者らに向け、機密文書を巡る調査についての説明を行った。拡大する批判や疑問の声を抑え込む狙いがあるとみられる。

電話の内容に詳しい2人の人物によれば、ホワイトハウスの当局者の1人は当該の文書について「十数点に満たず」、「そこまでの機密に関わる」ものは一つもないと強調。「諜報(ちょうほう)機関が高い関心を寄せる」内容ではないとの見方を示したという。

事務所に副大統領時代の機密文書、バイデン氏「驚いた」

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。