スペインの東方3賢者パレード、顔の黒塗りが論争の的に

スペインの伝統的なパレードが顔を黒塗りにする慣行で批判を浴びている/Cristina Quicler/AFP/Getty Images

2023.01.06 Fri posted at 16:22 JST

(CNN) 新年のパレ-ドでキリスト教の「東方3賢者」の一人を表すために顔を黒塗りにする慣行があるスペインで、黒塗りメイクの廃止を求める声が上がっている。

この行事は1月6日、イエス・キリストの誕生時に3賢者がベツレヘムを訪れたことを祝って行われる。夕方になると、人々が通りを埋め尽くして贈り物を交換し、クリスマスシーズンの終わりを記念する。

西側教会の伝統では、3賢者の一人「バルタザール」が美術作品内で中東系や黒人として描かれることが多い。

バレンシア州アルコイやカタルーニャ州イグアラダなど、バルタザールの補佐役が顔を黒塗りにするスペインの地域もある。

近年はこの慣習に対する批判が強まり、黒塗りメイクの使用をやめて黒人がバルタザールを演じるべきだとの声が上がっている。

バルタザールをまねて黒塗りの顔でパレードに参加する人々

反人種差別団体アフロフェミナスは、黒塗りの廃止を要求。団体のメンバーは声明で「何を表現しようとしているかは問題ではない。子どもが喜ぶからという問題でもなければ、伝統かどうかの問題でもない。自分のものでない色でメイクを行えば、それは人種差別に当たる」と述べた。

カタルーニャ州のテレビ局TV3はCNNに対し、同局の放送は黒塗りを行わないバルセロナからの中継のみに限定すると明らかにした。

それでも、今年のパレードの準備は進められている。イグアラダのイベントの主催者はCNNに、「約1000人のボランティア」が参加する予定だと明らかにした。

イグアラダの主催者は「このお祝いは全ての住民が参加できる。いかなる区別も差別もない」と説明。「我々は批判を常に尊重している」とした上で、「批判は分析され、内部の議論にかけられる」と述べた。

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