メキシコ当局、「麻薬王」の息子を逮捕

2019年10月にメキシコ当局が提供した映像。拘束される際のオビディオ・グスマン容疑者が映っている/Cepropie/AP

2023.01.06 Fri posted at 11:27 JST

(CNN) メキシコ当局は、同国で「麻薬王」と呼ばれたホアキン・グスマン受刑者(通称エル・チャポ)の息子、オビディオ・グスマン容疑者を逮捕した。メキシコ連邦政府の情報筋がCNNに明らかにした。逮捕に当たり、北部シナロア州では大規模な作戦行動が展開され、州内のクリアカン市周辺では複数の衝突も起きた。

逮捕に先駆け、米国務省は昨年12月16日の報道発表の中で、グスマン容疑者を「シナロア・カルテルの高位メンバー」と説明していた。

同容疑者は2019年10月に逮捕されたが、さらなる流血を避けるとするロペスオブラドール大統領の指示で釈放されていた。

5日のグスマン容疑者の逮捕前後、クリアカン市は大混乱に陥った。カルテルのメンバーとの衝突が市の各所で起きる中、当局は住民に対し自宅で避難するよう呼び掛けた。

ソーシャルメディアに投稿された動画には火のついたトラックや、空港近くで激しい銃撃戦が繰り広げられる様子が映っている。空港は衝突の発生を受け、この日の大半閉鎖されていた。CNNは現時点で映像が本物かどうか確認していない。

グスマン容疑者の逮捕のため通りを巡視する国家警備隊=1月5日、メキシコ北西部シナロア州クリアカン氏

アエロメヒコ航空はクリアカンなどシナロア州の3都市の発着便を全て運航停止とした。負傷者の報告は受けていないとしている。

逮捕に伴い、シナロア州の公安当局はクリアカン市内の複数箇所を封鎖したと発表。人々に市外へ出ないよう求めた。市内の学校や行政活動も停止され、州当局の教育担当者は、危険な地域にいる人々に対して安全な場所への避難を強く呼びかけた。


グスマン容疑者の逮捕作戦行動が行われるさなか路上で燃えるトラック/Marcos Vizcarra/AFP/Getty Images

グスマン容疑者の逮捕は、米国のバイデン大統領とカナダのトルドー首相が北米首脳会談のため首都メキシコ市を訪れる数日前のタイミングで行われた。

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