ロシア、大晦日を前に大規模ミサイル攻撃 キーウ市民は動じず

ロシアの攻撃によって破壊された建物で作業にあたる救急隊=29日/Valentyn Ogirenko/Reuters

2022.12.30 Fri posted at 13:30 JST

ウクライナ・キーウ(CNN) ウクライナ各地で29日、爆発が相次いで民間施設が破壊され、少なくとも3人が死亡した。ウクライナ政府は、2月にロシアによる侵攻が始まって以来、最大規模のミサイル攻撃だったとして非難している。

当局は何日も前から、ロシアが年末にかけ、電力網に対する総攻撃の準備をしているとして警戒を強めていた。

首都キーウに住む34歳の女性は、空爆を告げるサイレンの音で目を覚まし、続いて爆発音が聞こえたと証言。息子と一緒に自宅のある建物の地下シェルターに避難したが、特に驚きはせず、気持ちがくじけることもなかったと話している。

「新年を前にこうした攻撃は予想していた。こうした事態への備えはあるとニュースは伝えていた」。

サイレンが収まると、首都の生活は平常に戻った。「エレベーターの中では、映画『アバター』の上映時間に間に合うよう急いでいるという子ども連れの近所の人に出会った」と女性は話す。市民は子どもを学校に送り届けたり、出勤したりしていた。

上空に残ったミサイルの軌跡

ロシアのラブロフ外相は29日、ウクライナのゼレンスキー大統領が提示した10項目の和平条件に基づく交渉には応じないと強調した。これにはロシア軍のウクライナからの全面撤退、核の安全への道、食糧安全保障、ロシアの戦争犯罪人を裁く特別法廷の設置、ロシアとの最終的な和平条約などが含まれていた。

一方でラブロフ外相は、ロシアには外交的解決の用意があると指摘。戦争の終結を望むとしたプーチン大統領のここ数日の発言を踏襲した。

ウクライナ国家緊急事態局によると、全土の攻撃では少なくとも3人が死亡、7人が負傷した。

ロシアの29日の攻撃は電力設備が標的とされ、複数地域で停電が発生。新年の祝日が迫る中、全力で復旧作業が行われている。

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