暴風雪の死者全米で49人、さらに増える恐れ 緊急車両も立ち往生、停電で凍える住民

米ニューヨーク州バファローで自宅の前の雪かきをする男性/Bridget Haslinger/AP

2022.12.27 Tue posted at 11:15 JST

(CNN) クリスマスの休日にかけて米国の広い範囲を襲った暴風雪の死者が増え続けている。26日までに確認された死者は、ニューヨーク州エリー郡だけで27人、全米では49人に上った。各地で捜索救助活動が続けられており、犠牲者はさらに増える恐れがある。

エリー郡バファローなどニューヨーク州西部は最大で約109センチの積雪に埋まった状態にあり、車両が立ち往生して数千戸で停電が発生。同地は1カ月前にも記録的な暴風雪に見舞われていた。

バファロー警察はCNNの取材に対し、「今もまだ遺体が見つかっている」と話し、住民に外出しないよう呼びかけた。

エリー郡は記者会見で、26日午前から27日午後1時にかけてはさらに約20~30センチの降雪が予想されると指摘。道路などの除雪作業に影響が出る恐れがあると予想した。

エリー郡で死亡した27人のうち、3人は救命救急対応の遅れが原因だった。14人は屋外で死亡しているのが見つかり、3人は雪かき作業中の心臓発作、4人は暖房がなかったことによる死亡、3人は車内で死亡していた。

バファローでは引き続き車での外出が禁止されている。郡当局によると、市内は大部分が通行できない状態にあり、至る所で車が乗り捨てられているという。

救助に向かった緊急車両も雪に埋もれて動けなくなる事態が続出。25日には乗り捨てられた救急車11台が雪の中から掘り起こされた。

「我々は雪には慣れていた」とエリー郡当局者は語る。「だがこの風と視界不良で完全なホワイトアウトになった。しかもものすごい寒さで、我々の誰も見たことのないような最悪級の状況だった」

バファロー中心部の道路で雪に埋まった車両

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は25日の記者会見で、今回の暴風雪を「バファロー史上、最も壊滅的な暴風雪」と形容。26日にはジョー・バイデン大統領に対し、エリー、ジェネシーの両郡に非常事態を宣言するよう要請した。

州内では救助活動支援のために州兵数百人が配備され、州警察は25日までに、妊婦の出産も含めて500件以上の救助活動にあたった。

道路や鉄道が雪に埋まっただけでなく、自宅にこもる住民も困難な状況に陥っている。

ホークル知事は25日、2日以上も自宅にとどまっている住民もいて、一部は厳寒の中で停電に見舞われていると指摘した。

バファローのバイロン・ブラウン市長は26日午後の記者会見で、1万戸近くで停電が続いていると述べ、自身の自宅の温度も約4.4度にまで下がったと言い添えた。

国立気象局によると、バファローでは26日も降雪と厳寒が続き、日中の最高気温はおよそ氷点下5度、夜間は氷点下6度にまで冷え込む見通し。

長引く暴風雪の影響で、全米でも大規模な停電や空の便の欠航などの影響が広がっている。

停電情報サイトによると、26日夕の時点でニューヨーク、メーン両州の約2万5700戸で停電が続いた。停電の件数は一時的に100万戸を超えていた。

航空情報サイトによると、米国の空港を離着陸する便は米東部標準時26日午後7時の時点で約3800便が欠航となり、7000便に遅れが出ている。

暴風雪による死者は、ニューヨーク州のほかにも複数の州で確認されている。コロラド州では、変電所の建物付近で暖を取ろうとしていたと思われる男性が死亡しているのが見つかった。

米東部ニューヨーク州で大雪

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