ウクライナ・キーウ(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領はクリスマスの国民向け演説で、自由は高い代償をともなうと認め、「忍耐と信念」を持つよう呼び掛けた。
ゼレンスキー氏は演説の中で、今年は伝統的なクリスマスとは違い、家族の食卓に空席があるかもしれない、家並みや街路の明かりが足りず、鐘の音も空襲警報のサイレンや銃声、爆発音にかき消されるかもしれないと語り掛けた。
そのうえで、ウクライナが持つ「力強く有効な武器」として「私たちの気力と意識、神の知恵、勇気と大胆さ、善をなし悪に打ち勝とうとする美徳」を挙げた。
さらに、発電機の音よりも大きくクリスマスの聖歌を歌い、通信が途絶えてインターネットがつながらなくても親族のあいさつを心で聞こうと呼び掛けた。
「私たちは真っ暗闇の中でも互いを見つけ、固く抱き合う。暖房がなくても大きな抱擁で暖め合う」「私たちは奇跡を待つのではなく、自力で奇跡をつくり出す」と主張した。
ウクライナ正教会はロシア正教会と同様、クリスマスを1月7日に祝ってきたが、今年は多くの欧米諸国と同じ12月25日への変更を認める方針を示していた。
24日には、南部ヘルソン州の州都ヘルソン市がロシア軍のロケット弾による激しい攻撃を受けた。ヤヌシェビッチ知事は計71回の攻撃で16人が死亡、64人が負傷したと発表。ゼレンスキー氏はこの攻撃を「テロ」「威嚇と快楽のための殺りく」と呼んで非難した。