漁網に絡まり前ひれ切断の保護ウミガメ、英水族館でデビュー

前ひれを切断する手術を受けたウミガメが水族館でデビューした/courtesy Oliver Ridley Project

2022.12.22 Thu posted at 14:35 JST

(CNN) モルディブで2018年に保護されたオスのヒメウミガメ「ハイディ」が英国最大の水族館に引き取られ、水槽の仲間たちと対面した。

ハイディは11月初旬、26時間の旅を経て英プリマスの国立海洋水族館に到着。これまでほかの生き物から切り離して環境に慣れさせていた。

今月20日、グレートバリアリーフ館の隔離ゲートが取り払われ、ハイディは水槽で同居する生き物たちと初めて顔を合わせた。

「これまで4年以上もの間、ほかの大型海洋生物を見たことがなかったので、先住のエイやハタに慣れるのには少し時間がかるだろう」。飼育員のマーカス・ウィリアムズさんはそう説明する。「ハイディは水面で泳いだり水の流れで遊んだりして楽しんでいるが、自分から潜って水槽を探検するまでにはもう少し時間がかかるかもしれない」


リハビリ中に海草の上を泳ぐハイディ/courtesy Oliver Ridley Project

ハイディはモルディブの南マーレ環礁で放置された漁網に絡まっていたところを助けられ、同国のウミガメ保護施設で手術やリハビリを受けていた。

ハイディはリハビリを受けるため、手術を受けた施設に4年間とどまった

網に絡まったことによるけがは重く、左ひれは切断しなければならなかった。右ひれも動かすことができず、実質的に両前足を失った状態にある。

ハイディの体重は29キロ。後ろ足だけで動き回ることはできるが、動きが制約されるため、餌を取ったり天敵から身を守ったりすることは難しく、野生に戻すことはできなかった。

それでも新しい友達を作ることはできるとリハビリを担当した獣医師のクレア・ペトロスさんは言い、「朝姿を見せると、自分から後ろ足で身を起こしておはようと言いに来る」と説明。「そのかわいさをみんなに見てもらい、カメにも素晴らしい個性があることを知ってもらえれば」と話している。

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