(CNN) メキシコのエブラルド外相は20日、ペルーで罷免(ひめん)されたカスティジョ前大統領の家族の亡命を受け入れたと発表した。
ペルー外務省はその後、メキシコ大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として72時間以内の出国を命じた。
同省は声明で、メキシコのロペスオブラドール大統領のペルー政治に関する発言が「内政への受け入れがたい干渉に当たる」と指摘。この発言を受けた措置だと説明した。
エブラルド氏は、一家がすでにペルーの首都リマのメキシコ大使館内にいると述べた。ただし、具体的にどの家族が何人滞在しているかは明言しなかった。
一方、ペルーのディアス外相はカスティジョ氏の妻や子どもなど家族が安全な出国を保証されていると語った。
カスティジョ氏は今月、議会解散と総選挙の実施を発表した動きがクーデターとみなされて弾劾(だんがい)、罷免された。リマのメキシコ大使館へ向かう途中、反逆と共謀の疑いで拘束されていた。
ペルーの副大統領から昇格したボルアルテ大統領は18日、国内テレビ局とのインタビューで、メキシコ外相から数日前にカスティジョ氏と妻、子どもたちの亡命を受け入れたと聞いていたことを明らかにした。
メキシコのロペスオブラドール大統領はカスティジョ氏の弾劾について、敵対する政財界人からの嫌がらせとの見方を示してきた。
同国とコロンビア、アルゼンチン、ボリビアの政府は先週、カスティジョ氏が「非民主的な嫌がらせ」を受けていると懸念を示す共同声明を発表した。
ペルーではカスティジョ氏の弾劾に抗議するデモが広がり、保健当局のデータによると19日までに26人の死者が出た。