マチュピチュで観光客300人が立ち往生 国内の抗議デモの混乱受け ペルー

マチュピチュから移動できず、鉄道駅に列をなす旅行者ら/Jesus Tapia/AFP/Getty Images

2022.12.17 Sat posted at 14:30 JST

(CNN) 有名な遺跡がある南米ペルーのマチュピチュで、世界各国から訪れた観光客約300人が立ち往生を余儀なくされている。地元の首長が明らかにした。ペルーでは大統領の失脚による抗議デモなどの混乱を受けて緊急事態宣言が出されている。

同国のカスティジョ前大統領は今月に入り弾劾(だんがい)され、その後警察に身柄を拘束された。これに先立ち同氏は、議会を解散する計画を発表していた。同氏の逮捕によって騒乱が発生し、各国からはペルーへの渡航に警戒を呼び掛ける動きが出ていた。

遺跡があるマチュピチュの首長は、ペルー人のほか南米などの米州、欧州から訪れた旅行者らが足止めされていると述べた。

その上で「政府に支援を要請し、ヘリコプターを出動させて旅行者を脱出させるよう求めている」と説明。マチュピチュへの出入りを可能にする唯一の交通手段は鉄道だが、運行は通知があるまで停止されているという。

ペルー南部及び南東部での鉄道運行を手掛けるペルーレールの声明によると、マチュピチュを出入りする列車は13日に運行を停止した。

首長はまた、マチュピチュではすでに抗議デモの影響で食料が不足していると明かした。地元経済は観光に100%依存している。

航空会社LATAMペルーによると、アレキパとクスコにある国際空港の発着便も一時的に運航を停止した。現在国内の政治状況を注視し、運航の安全を担う関連機関が対策を講じるのを待っているという。

米国務省は、ペルーへの渡航について旅行者に再考を促す勧告を出した。このほか英国とカナダの政府も、現地にいる自国民に対し警戒を呼び掛け、身の安全に注意するよう促した。

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