(CNN) 先週罷免(ひめん)、逮捕された南米ペルーのカスティジョ前大統領は13日に出廷し、共謀や反逆の容疑を否定した。国内ではカスティジョ氏の支持者らによる抗議デモが発生し、これまで少なくとも6人が死亡している。
カスティジョ氏に対してはペルー議会が7日に弾劾(だんがい)決議案を可決。その後警察が身柄を拘束した。これに先立ち同氏は、議会を解散して非常事態政府を設置する計画を発表していた。
新大統領にはボルアルテ副大統領が就任した。同氏は12日のテレビ演説で、総選挙を2年前倒しし、2024年4月に行うことを提案した。
ペルー南部アレキパでの抗議行動=12日/Denis Mayhua/picture alliance/Getty Images
カスティジョ氏は13日、オンラインで法廷審問に出席。自身に対する7日間の勾留命令に異議を唱えたが、裁判官はこれを退けた。
カスティジョ氏は裁判官に向け、共謀や反逆といった罪はこれまで一度も犯したことがないと主張し、自身の勾留は恣意(しい)的であり不当だとの見解を示した。
また「絶対に辞任するつもりはない」とした上で、軍と国家警察に対し、武器を置き、正義を求める人々の殺害を止めるよう求めた。
先週以降、国内の各都市でカスティジョ氏を支持する抗議デモが発生。一部はペルーの治安部隊と衝突する事態となっている。
同国のオンブズマン機関は13日、抗議デモの中で未成年者2人を含む少なくとも6人が死亡したと発表した。保健省のツイートによれば、首都リマなど複数の都市で合わせて少なくとも47人がデモの結果病院に搬送されたという。
国際空港で抗議行動を行うデモ参加者ら=12日、ペルー・アレキパ/Diego Ramos/AFP/Getty Images
地元メディアによると、抗議デモの参加者らは総選挙の実施と議会の解散、新たな憲法制定会議の創設を求めている。
ボルアルテ氏は13日、事態の鎮静化を呼び掛けるとともに、警察に対し殺傷能力を持ついかなる武器もデモ参加者に向けて使用しないよう指示したと明らかにした。
ペルー前大統領、反逆罪を否定 支持者らのデモで6人死亡