ヘンリー王子、英王室の「無意識の偏見」批判 夫妻のドキュメンタリー番組公開

ヘンリー王子とメーガン妃のドキュメンタリー番組がネットフリックスで公開/From Netflix

2022.12.09 Fri posted at 12:43 JST

ロンドン(CNN) 英王室を離脱したヘンリー王子とメーガン妃のドキュメンタリー番組が8日、ネットフリックスで公開された。夫妻は離脱を決意した背景として、英王室の内部に「無意識の偏見」があったと訴えている。この番組をきっかけに、ヘンリー王子夫妻と英王室の亀裂が一層深まる可能性もある。

8日に公開されたのは、ドキュメンタリー番組「ハリー&メーガン」のシリーズ最初の3本。番組の中で2人が語る内容については、何カ月も前から臆測が飛び交っていた。

番組では、2人の出会いからメーガン妃が初めて王室に入った時の様子、ヘンリー王子の子ども時代、英タブロイド紙の執拗(しつよう)な性質、ヘンリー王子の母ダイアナ元妃の死などを取り上げている。

ヘンリー王子はロイヤルファミリーについて、「無意識の偏見」のために、自分とメーガン妃が王室離脱に至るまで何年もさいなまれていた苦悩が見えなかったとして非難した。

ヘンリー王子と父のチャールズ国王および兄のウィリアム皇太子との間には、緊張が張り詰めていた。

ヘンリー王子は番組の冒頭、メディアにも矛先を向けている。「真実の全容は誰も知らない。私たちは全容を知っている。あの機関は全容を知っている。メディアは全容を知っている。なぜならそれにかかわっていたからだ」。ヘンリー王子はそう語り、「私たちのメディアの内部で起きている搾取や買収行為を暴くこと」は、自身の「義務」だと考えると強調した。

ヘンリー王子とメーガン妃のドキュメンタリー番組がネットフリックスで公開

2020年に王室離脱を決意したことについては、「私のやったこと、そして私のやり方に根本から反対する人々が世界中にいることは受け入れる」とした上で、「しかし私は、自分の家族を守るためにできる限りのことをしなければならないと知っていた。特に、私の母に起きたことを考えると」とダイアナ元妃に言及した。

メーガン妃は17年の婚約発表について「お膳立てされたリアリティー番組」と形容。婚約後初のインタビューは「リハーサルされていた」と振り返った。

ヘンリー王子は、当時婚約者だったメーガン妃に対するメディアの熱狂について、「家族の心配に関して、彼女がくぐり抜けたことは、みんなもくぐり抜けてきたことだった。つまり、通過儀礼のようなものだった」と説明。「私の妻はそれを切り抜けなければならなかった。それなのになぜ、あなたのガールフレンドに違う扱いをしなければならないのか。なぜ特別待遇を求めるのか。なぜ彼女を守る必要があるのか」という論議だったと振り返る。

この問いに対して「人種の要素に違いがあると私は言った」とヘンリー王子。黒人と白人の血を引くメーガン妃に対するタブロイド紙の人種差別的な論調に対し、2人は頻繁に憤りをあらわにしていた。

「それはこの家族の日常生活の中で頻繁に迷惑な姿を見せる、隠しておきたいものだった。時として、自分が解決策の一部ではなくその問題の一部になることがある。そこにはとてつもない無意識の偏見が存在する」

ヘンリー王子はそう語り、「無意識の偏見については、実際のところ、誰の責任でもない。しかしそれを指摘されたら、あるいは自分の中に見つけたら、それを正す必要がある」と訴えた。

ドキュメンタリーにはメーガン妃が涙を流した場面も

さらに、親族や祖先の結婚にも言及し、「この家族の多く、特に男性は、恐らく一緒になることが運命づけられていた相手ではなく、その型に合いそうな相手と結婚する誘惑や衝動がありえると思う」とコメントした。

メーガン妃が初めてエリザベス女王やキャサリン妃などと会った時の様子については、「彼女と初めて会った私の家族が強い印象を受けていたのを覚えている。自分をどうしていいのか分からない人もいた」とヘンリー王子は振り返った。

「彼らは驚いていた。私が米国人女優と交際していたという事実が、恐らく最初は何よりも彼らの判断力を曇らせた」とヘンリー王子。メーガン妃は「女優ということが最大の問題だった。おかしいことに」と言い添えた。

乱暴さで悪名高い英国のメディアに対しては、2人とも苛立ちを口にした。「至る所に私の顔があり、至る所に私の生活があった。タブロイドが何もかも奪った」とメーガン妃は言う。

ヘンリー王子は、パパラッチに追い回されて1997年に死亡したダイアナ妃を回想し、「メーガンは本当に母によく似ている。同じように自信に満ち、温かさを持っている」と語った。

ドキュメンタリーは8日に3本が公開され、次週、さらに3本が公開される。インタビューは、エリザベス女王が死去する前の8月に収録が終了した。

次週公開予定の回では、王室離脱と米国移転に関する詳細が明かされる見通し。1月にはヘンリー王子の回顧録「スペア」も出版される。

ヘンリー王子、英王室の「無意識の偏見」批判 ドキュメンタリー番組

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