65年前に遺体で見つかった男の子の身元特定 米フィラデルフィア警察

米フィラデルフィアで65年前に遺体で発見された男の子の復元イラスト/National Center for Missing and Exploited Children

2022.12.09 Fri posted at 10:48 JST

米フィラデルフィア(CNN) 米フィラデルフィアの警察は8日、65年前に箱に入った状態で遺体で見つかった男の子の身元を特定した。同市で起きたものとしては最長の部類に入る未解決の殺人事件の被害者だという。

DNA分析の結果、男の子は当時4歳だったジョセフ・オーガスタス・ザレリちゃんと特定された。遺体は1957年2月下旬、段ボール箱の中で毛布にくるまった状態で見つかった。遺体には最近及び過去にできたとみられる外傷があったという。フィラデルフィア警察署のダニエル・アウトロー署長が明らかにした。

同署長が記者団に説明したところによると、事件は当時の世間から極めて大きな関心を集めた。しかしジョセフちゃんが自分たちの子どもだと名乗り出る人はなく、長年にわたり数多くの取り組みがなされたにもかかわらずその身元は謎のままだった。

今週になって警察は、子どもの身元を突き止めることに成功したと発表。犯罪捜査に加え、遺伝子に基づく系図学の研究者らの協力が寄与したと述べた。後者の研究分野を通じ、近年数多くの未解決事件が解明に至っている。

記者会見で未解決殺人事件について伝える米フィラデルフィア警察署のダニエル・アウトロー署長=8日

アウトロー署長は会見の冒頭で、当該の事件に関わってきた各世代の警察官らを称賛した。その中にはすでに他界した人々もいる。

ただジョセフちゃんの身元は特定されたものの、その死亡の責任が誰にあるのかについては依然として捜査中だ。

フィラデルフィア警察殺人課のジェーソン・スミス警部は、身元の特定をきっかけに市民から多くの手がかりが寄せられるのを期待するとしつつ、事件から長い年月が過ぎているため捜査員が「苦戦を強いられている」ことを認めた。

「犯人を逮捕することはできないかもしれない」「(犯人の)身元を割り出すことも不可能かもしれない。それでも我々は死力を尽くす」(スミス警部)

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