(CNN) サッカー・ワールドカップ(W杯)を開催中のカタールで、「アルカス・スポーツ・チャンネル」の解説者がドイツ代表選手の人権を巡る抗議のポーズをまね、大会から敗退したドイツ代表を嘲笑する出来事があった。
1日に同チャンネルのツイッターに投稿された動画には、クウェートの元サッカー選手ジャマル・ムバラク氏が左手で口を覆い、右手で手を振る様子が映っている。その後ムバラク氏は、元エジプト代表GKで同僚解説者のエッサム・ハダリ氏にも同じポーズをするよう呼び掛けた。
するとハダリ氏や他の解説者も口をふさぎ、手を振る別れのポーズ。ドイツの敗退を祝ったものとみられる。
ドイツの選手は第1戦となった11月23日の試合前、性的少数者への支援を示す「OneLove」の腕章を禁じた国際サッカー連盟(FIFA)の決定に抗議して、右手で口をふさぐポーズを取っていた。
ドイツはこの試合で日本に衝撃的な敗北を喫した。今月1日のコスタリカ戦には勝ったものの、グループステージ突破と16強入りはならなかった。
ムバラク氏はアルカス・スポーツ・チャンネルで、「神に感謝しよう。すべてのアラブ諸国とイスラム教国は日本の決勝トーナメント進出を祈っているが、最も重要なのはドイツの敗退だ」と述べていた。
この番組はカタール人のプレゼンターが司会を務め、ムバラク氏やハダリ氏、元イラク代表のユニス・マフムード氏を含むアラブ系のサッカー解説者が出演している。
カタール人の司会者は11月27日の試合でドイツがスペインと引き分けた後、ドイツの抗議に「ショック」を受けたと説明。「我々があなた方の慣習や伝統、文化を尊重するのと同じように、あなた方(ドイツ人)も我々の慣習や伝統、文化、宗教を尊重しなくてはならない」「我々がドイツや他の場所に行く時はルールや法律を尊重し、現地の社会で重視されるすべての事柄に敬意を払う」と述べた。