カタールで観戦の独ジャーナリストら、「虹色」着用で注意受ける

虹色のリストバンドを着けたベンクト・クンケル氏/Ben Church/CNN

2022.11.27 Sun posted at 15:02 JST

カタール・ドーハ(CNN) サッカーのワールドカップ(W杯)が開催されているカタールで、性的少数者の権利をめぐる問題がくすぶり続けている。観戦に訪れたドイツの学生スポーツジャーナリストが、性の多様性を象徴する虹色のリストバンドを着けてスタジアムへ向かった現場を、CNNが取材した。

取材班によると、ベンクト・クンケル氏(23)は26日、同様に虹色の腕章を着けた友人とフランス対デンマークの試合に向かった。その途中の駅で、警備当局者からリストバンドと腕章を外して廃棄するよう指示された。

2人はこれを拒否し、ポケットにしまうという条件で許しを得た。ホームから電車に乗り、スタジアムの前でそれぞれリストバンドと腕章を着け直した。

保安ゲートは通過したが、その後着席できるまでに4回も呼び止められた。

米ジャーナリストのグラント・ワール氏も数日前、虹色柄の服装をスタジアムの保安要員に注意され、25分間拘束された。その後、国際サッカー連盟(FIFA)スタッフと保安チームのリーダーから謝罪があったという。

EURO2020の試合で「OneLove」の腕章を着けるオランダ代表のワイナルドゥム選手=2021年6月、ハンガリー・ブダペスト

21日には、虹色の帽子をかぶったウェールズ代表のサポーターらがスタジアムへの入場を拒否された。ウェールズのサッカー協会はこれを受けてFIFAに確認し、虹色の旗や帽子の持ち込みは許可されているとツイートした。

大会のハンドブックには外国から訪れる観客らについて、現地の文化を尊重した慎みのある服装である限り、何を着ても自由と記載されている。

だがクンケル氏は21日のセネガル対オランダ戦で、虹色の旗を外すよう言い渡され、ごみ入れに廃棄されていた。「私自身は性的少数に属していないが、この国に来たくないという人々の気持ちが分かる」と話している。

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