(CNN) カリブ海の国ハイチでコレラが流行し、これまでに136人が死亡した。同国の保健省が明らかにした。
死者のうち89人が病院やコレラ治療施設で、47人が自宅で亡くなった。政府は国際医療機関と連携して対応に当たっている。
国際NGO「国境なき医師団」の広報担当者アレクサンドル・マルクー氏はCNNの取材に「最近は1日250人を受け入れている。患者が急増し大部分が都市部だ。我々のコレラ治療施設は約350床しかないため状況を非常に懸念している」と語った。
コレラはコレラ菌に汚染された食物や水から感染する。安全な飲み水がなかったり、衛生状態が悪かったりする地域では感染が起こりやすい。
世界保健機関(WHO)によると、コレラはワクチンが存在し、発症しても「容易に治療できる」感染症だが、発展途上国では下痢の症状を通じて死に至る危険があるという。
保健省によると、1カ月前の死者は8人で、全員が人口密集地の首都ポルトープランスにいた。だがマルクー氏によれば、今は遠く離れた地域でも感染が広がり、保健関係者が現地に行き実態を把握するのが難しくなっている。
ハイチでは今年まで、全国的な保健衛生対策が効を奏しコレラがほぼ撲滅した状態だった。