ボルソナーロ氏、政権移行の協力示唆 大統領選敗北は認めず

選挙後の沈黙を破り、ボルソナーロ大統領が短い演説を行った/Adriano Machado/Reuters

2022.11.02 Wed posted at 09:43 JST

(CNN) ブラジルのボルソナーロ大統領は1日、大統領府で短い演説を行い、「引き続き我が国の憲法が命じる内容を全て遂行する」意向を示した。10月30日の大統領選で左派のルラ元大統領に敗れた同氏は、それ以降沈黙を守っていた。

敗北を明確に認めはしなかったボルソナーロ氏だが、演説では権力の移行に協力する意図がうかがえた。

同氏の後に演壇に上がったシーロ・ノゲイラ大統領首席補佐官は、ルラ氏の政権移行チームが手続きを開始するのを待っていると説明。ボルソナーロ氏からも承認された通り、「然るべきときに、法に基づき、政権移行プロセスを開始する」と述べた。

短い演説の中で、ボルソナーロ氏が選挙結果に異議を唱えることはなかった。同氏は自らに投票した有権者に感謝を表明する一方、「常に非民主的とのレッテルを貼られてきた」と批判的な人々を攻撃した。

ルラ氏を祝福する言葉はなかった。大統領選での得票率はルラ氏の50.9%に対しボルソナーロ氏は49.1%。ルラ氏の得票数は6000万票を超え、ブラジル史上最多を記録した。

選挙結果に抗議する人々が全国267カ所で道路を封鎖している

同国の国会議員やボルソナーロ氏の同調者の一部はすでにルラ氏の勝利を認めている。

しかしボルソナーロ氏の支持者によるSNSへの投稿の中には、同氏が演説の中で敗北を認めなかったとして、選挙結果への抗議行動を呼び掛ける内容も見受けられる。

30日以降、こうした抗議行動に参加する人々によって国内の高速道路は混乱に陥っている。警察は1日午前、全国267カ所で道路が封鎖されたと発表した。

ボルソナーロ氏、大統領選後の沈黙破り演説

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