トランプ氏、ジャーナリストに金正恩氏からの書簡見せていた CNN EXCLUSIVE

トランプ氏(左)が金正恩氏からの書簡の内容をジャーナリストと共有していたという

2022.10.19 Wed posted at 12:26 JST

ワシントン(CNN) 米著名ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏がトランプ前大統領にインタビューした際の音源を収録したオーディオブックが25日に発売される。CNNが入手したその内容から、トランプ氏が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記による自身宛ての複数の書簡について、ウッドワード氏と情報を共有していたことが明らかになった。

当該のインタビューは2019年12月、ホワイトハウスの大統領執務室で行われた。この中で米紙ワシントン・ポストに在籍するウッドワード氏は、金氏に対するトランプ氏の好戦的な発言について、相手を交渉の場に引き出す意図があるのかと質問した。

トランプ氏は、そうした意図は全くないと回答。「直感で」話しているだけだと説明した。その上で「実際のところ、状況がどうなっていくのかは誰にも分からないわけだから。ただ非常に荒い物言いではあった。これ以上ないほど荒かった」と語った。

北朝鮮の核開発を巡る協議で「核のボタン」に言及した金氏に対し、トランプ氏は「こちらのボタンの方が大きい」と告げたという。

インタビューの中でトランプ氏は側近に対し、金氏と一緒に韓国と北朝鮮を隔てる非武装地帯(DMZ)で撮影した写真をウッドワード氏に見せるよう指示。現地の軍事境界線の上を歩いた時のことを満足げに振り返った。

インタビューでは金氏との関係や、同氏と協議する理論的根拠などが語られた。トランプ氏はさらに、金氏からの複数の書簡をウッドワード氏と共有した。これらの書簡が火付け役となり、司法省はトランプ氏が持ち出したとみられる機密文書の調査に着手。今夏フロリダ州にある同氏の自宅「マール・ア・ラーゴ」の捜索に踏み切っていた。

当該の書簡についてトランプ氏はウッドワード氏に対し、「私からもらったとは言わないように。いいね?」と述べている。

ウッドワード氏によるインタビューを収録したオーディオブックは今月25日に発売予定

米国の核兵器の能力に関しても、トランプ氏は高度な機密性を有する公算の大きい兵器システムについて言及。「この国でこれまで誰も保持したことのない兵器システムを構築した」とし、ロシアのプーチン大統領や中国の習近平(シーチンピン)国家主席にとっても未知のシステムだと強調した。

こうした内容を立証することは不可能だとしながらも、ウッドワード氏はトランプ氏のコメントから「不用意かつ危険なやり方で」機密情報を扱っていることを再確認したと記している。

今回のオーディオブックには、16年から20年にかけてウッドワード氏が行ったトランプ氏へのインタビュー20回分が収録されている。

全体を通じてトランプ氏はプーチン氏との関係に触れており、連邦捜査局(FBI)によるロシアの米大統領選介入疑惑の捜査を非難。米ロ関係改善の好機を台無しにしているとの見方を示す。

20年1月のインタビューでは、ロシアや中国を含むあらゆる国々との良好な関係を念頭に置いていることを示唆。核大国であるロシアと良好な関係を保つのはいいことだと語っている。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。