(CNN) ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は18日、この1週間余りで国内の発電所の30%が破壊され、全土で大規模な停電が発生していることを明らかにした。
ゼレンスキー大統領はツイッターへの投稿で、「エネルギー施設や重要インフラを狙ったロシアの新たなテロ攻撃」により、「10月10日以来、ウクライナの発電所の30%が破壊され、全土で大規模な停電が発生している」とツイート。「(ロシアの)プーチン政権との交渉の余地はない」と強調した。
ロシア国防省は、ウクライナのエネルギー施設に照準を絞った攻撃を展開していることを確認。「ウクライナの軍事司令部やエネルギーシステム、および外国製の武器弾薬庫に対して長距離高精度兵器で空と海から攻撃を続け、全ての目標に命中させた」とした。
ウクライナの首都キーウでは死者が増え続けている。17日にはロシアの「カミカゼ」ドローン攻撃で少なくとも5人が死亡、18日にも別の攻撃で少なくとも3人が死亡した。
ロシアによる電力施設攻撃による停電は各地で発生している。
電力会社のDTEKは18日、重要施設がロシアの砲撃で損傷し、キーウの住宅地で電力や水道の供給に支障が出ていると伝えた。
中部ドニプロペトロウシク州でも、エネルギー施設がロシアのミサイル2発で攻撃され、火災が起きて大きく損傷。ドニプロ市を含む少なくとも3地域で停電が発生し、水道施設が電力を喪失したと地元当局者は伝えている。
西部ジトーミルの市長は、同市が停電と断水に見舞われ、病院は非常用電源で運営を続けていると発表した。
首都キーウでも、市長が市民にできる限りの節電や節水を呼びかけている。