金正恩氏「核部隊が準備整えている」 巡航ミサイル試験後に脅し

北朝鮮の金正恩氏は、核部隊が準備を整えていると敵対国に警告を発した/KCNA/Reuters

2022.10.14 Fri posted at 15:40 JST

韓国・ソウル(CNN) 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記は13日、同国の核部隊は「現実の戦争」に完全な準備を整えていると敵対国に警告するメッセージを発した。前日には巡航ミサイルの発射実験が行われていた。

国営朝鮮中央通信(KCNA)によると、金氏は「我々の核戦闘部隊は敵を支配下に置く、現実の戦争の即応態勢が完全に整っていることを示した」と述べた。

金氏が北朝鮮のミサイル計画に言及するのはこの数カ月で初めて。12日には朝鮮半島西部沖で行われた長距離巡航ミサイルの発射実験を視察したと報じられている。

CNNの集計によると、12日の発射は弾道ミサイルと巡航ミサイルを合わせて今年26回目のミサイル試験となる。ただ専門家は、国営通信の報道はミサイルの発射成功を誇張した過去があると注意を促している。

韓国の統合参謀本部の報道官は、北朝鮮が12日午前2時、平安南道价川市から黄海上に巡航ミサイル2発を発射したと確認した。韓国軍は米軍と緊密に連携して即応態勢を維持しているという。

米インド太平洋軍はこミサイル発射の報道についてコメントはないと述べた。

12日の発射で北朝鮮のミサイル実験は今年26回目に達した

KCNAは、12日の巡航ミサイルは海上を楕円(だえん)の8の字形を描いて3時間近く飛行し、その後目標に命中したと伝えた。

専門家の中にはKCNAの報道内容は信用できないとの声がある一方、ミサイル計画が進展し、巡航ミサイルが最終開発段階に達していることを示すものだとの声もある。

巡航ミサイルは弾道ミサイルより軽い物しか載せられない。従って、核弾頭を搭載する場合、弾道ミサイルよりも小さな弾頭を必要とする。北朝鮮は現時点で、ミサイルの種類に限らず、核弾頭を展開する能力があるとは証明されていない。

国連安全保障会議の決議は北朝鮮の弾道ミサイル試験を禁じているが、巡航ミサイルの試験は禁じていない。

韓国の国防副大臣は14日朝のラジオ番組で、一連のミサイル試験や威嚇的な発表から北朝鮮が7回目の核実験を準備している可能性があるとの見方を示し、「北朝鮮は戦術核の試験を実施したことがなく、核弾頭をより小さくし、それを証明する必要がある」と述べた。

前回の核実験は2017年に行われた。

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