(CNN) イラン国営テレビのニュース番組が8日、放送中に何者かに乗っ取られ、一時的に映像が切り替わった。改革推進派の通信社イランワイヤが伝えた。
政府系のタスニム通信は、現地時間の午後9時、イラン・イスラム共和国放送(IRIB)傘下の放送局のニュース番組が、反革命派によってハッキングされたと伝えた。
広く出回った映像によると、番組の最中、南部の都市ブシェールで会議に出席していた最高指導者ハメネイ師の映像が遮られ、黒い背景に白いマスクが浮かぶ映像に切り替わった。
続いてハメネイ師の姿に重ね合わせて、イランでこの1カ月の間に死亡したマフサ・アミニさんなど若い女性4人の写真が映し出された。
22歳だったアミニさんは、頭部を覆うスカーフを適切に着用していなかったという理由で道徳警察に逮捕された後に死亡した。残る3人のうち2人は10代で、アミニさんの死に対する抗議デモの中で命を落とした。
画面には「我々と共に立ち上がれ」「我々の若者の血が、あなたの拳からしたたっている」という文字と、ハッカー集団「Edaalat―e Ali(『アリの正義』の意味)」の名が表示された。
この場面は数秒間、画面に映っていた。
Edaalat―e AliはSNSに犯行声明と思われる内容を掲載し、「人民の求めに応じて約束を果たし、イラン解放のため考えられないことをした」としている。
イランではアニミさんの死を受けて何週間も抗議デモが続き、デモ隊と治安当局の衝突で多数の死者が出たと伝えられている。
イラン国営放送のニュース番組乗っ取り