セルティックのサポーター、試合前に反英王室の歌と横断幕 スコットランド

英王室への反感を示す横断幕を掲げるアウェーのセルティックサポーター/Steve Welsh/PA Images/Getty Images

2022.09.20 Tue posted at 07:50 JST

(CNN) 英スコットランド・グラスゴーを拠点とするサッカークラブ、セルティックFCのサポーターらが、スタジアムで英王室への反感を示す歌を歌う出来事があった。当該の歌は、亡くなった英エリザベス女王を称賛する目的で選手や観客らが1分間の拍手喝采を行う中で歌われた。

1分間の喝采は、18日の試合でセルティックをホームに迎えたペイズリーのクラブ、セント・ミレンが女王を追悼するために計画していたもの。試合前に喝采が始まったところ、アウェー側のスタンドに陣取ったセルティックのサポーターが横断幕を広げた。

横断幕には「ロイヤルファミリーが嫌いなら手をたたこう」とあり、サポーターらは同じ文言の歌を喝采の間中歌い続けた。

試合はセルティックが2―0で敗れた。

試合を放送したスカイはCNNに対し、喝采の間スタジアムのマイクの音量を下げて上記の歌を聞こえにくくしたことを確認。喝采の後、実況担当者は「視聴者の皆さんが何か不快に感じるものを耳にしたならおわびします。大半の人々は敬意を表しましたが、中にはそうでない人たちもいました」と述べた。

セルティックのサポーターの一団は14日のチャンピオンズリーグ(CL)の試合でも君主を侮辱する内容の横断幕を掲げ、 欧州サッカー連盟(UEFA)が調査に乗り出していた。

試合はセルティックが2-0で敗れた。

CNNはスコットランドのリーグを統括するSPFLとセルティックにコメントを求めたが現時点で返答はない。

スコットランドサッカー協会(SFA)はCNNの取材に対し、リーグ戦におけるサポーターの振る舞いにはいかなる管轄権も持たないと説明した。

スコットランドのクラブでありながら、セルティックは伝統的に君主制に異を唱えるアイルランドの共和制主義者とつながりが深い。クラブ創設の目的は貧困の軽減で、1880年代のグラスゴーに暮らすカトリック教徒のアイルランド移民が対象だった。

これに対し、同じくグラスゴーに本拠を置くレンジャーズは宗教的にはプロテスタント、政治的には王政主義・連合主義との親和性が強い。セルティックとは激しいライバル関係にあることで知られる。

17日のリーグ戦では、レンジャーズのホームに乗り込んだダンディー・ユナイテッドの一部サポーターも、1分間の黙祷(もくとう)の最中にブーイングを発していた。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。