景気減速の中国、コロナ検査業界のみ記録的な利益計上

中国ではコロナ検査業界が記録的な利益を計上している/CFOTO/Future Publishing/Getty Images

2022.09.08 Thu posted at 16:06 JST

香港(CNN Business) 中国が掲げるゼロコロナ政策は各地でロックダウン(都市封鎖)を実施するなど、経済に大打撃を与えている。企業各社の業績も圧迫される中、思わぬ臨時収入の恩恵を受けているのが検査市場だ。

中国で新型コロナウイルスの検査を手掛ける企業上位12社はこのほど、今年上期の売り上げと純利益の大幅な増加を記録した。

新型コロナ検査キットを国内外に供給する九安医療は、2022年1~6月期で純利益が2万7728%の急騰を記録し、152億4000万人民元(約3150億円)に達したと報告した。

売り上げは3989%増加したという。中国国内で積極的に検査が行われたことだけでなく、米国での高い需要も恩恵をもたらした。同社の子会社は最近、米国政府と迅速抗原検査キットの供給契約を結んだ。

杭州市に本社を置く安旭生物も、世界的な検査需要の高まりを背景に1324%の純利益増を記録した。

その他の検査キットメーカーも、1~6月期でそれぞれ純利益を55~376%伸ばしている。

延々と続く検査や政府の実施するロックダウンと出入国規制が経済を痛めつけた結果、中国の4~6月期の国内総生産(GDP)は0.4%の増加にとどまった。これは過去2年以上で最も鈍い成長ペースとなる。

コロナの検査を行う医療従事者=5日、貴州省

主要な投資銀行数行はすでに、中国の年間の経済成長率予測を3%以下に下方修正した。政府が設定していた公式目標の5.5%を大きく下回る水準だ。

中国政府によると、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が始まってから今年の4月まで、国内では115億回の検査が行われた。

その後検査回数は大幅に増えている可能性がある。東呉証券のアナリストらがこのほど推計したところによれば、4~6月の3カ月で108億回の検査が実施されたという。

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