戦争は「年内に終わらない可能性」 ウクライナ軍総司令官

ハルキウへのミサイル攻撃後、破壊された建物の近くに立つ人々=8月29日、ウクライナ/Sergey Bobok/AFP/Getty Images

2022.09.08 Thu posted at 13:03 JST

(CNN) ウクライナ軍のザルジニー総司令官は7日、ロシアとの戦争について、最終的な結果はまだ視野に入っていないとし、ウクライナがミサイルで攻撃できる距離を延ばすことでしか成功を収めることはできないと述べた。

ウクライナ国営通信社ウクルインフォルムがザルジニー氏らの寄稿を報じた。ザルジニー氏は寄稿の中で、兵器の運用範囲を互角にしてロシア軍の中心部をかく乱することで初めて現在の戦争の転機を迎えることができるとしている。

ザルジニー氏によれば、ロシアとの戦争が年内に終わらないと信じるに足る十分な理由がある。

ザルジニー氏は、ウクライナがロシア軍との戦闘のためにより多くの武器を必要としていると述べた。

ウクライナ軍は最良のシナリオで行けば旧式のロケット砲を使用してロシア軍の後方部隊にまで攻撃を行うことができる。そして、もし、適切な兵器を入手することができたならば、2023年の作戦的、戦略的な展望は全く異なったものになると指摘。ウクライナ軍が適切な射程の破壊手段を用いるという脅威そのものが、現在続いている対立の性質や方向性、結果についてロシアに再考を強いることになるとの見方を示した。

前線付近でロケット砲を発射するウクライナの砲兵部隊=8月27日、ドネツク州

例として、8月に起きたクリミア半島のロシア軍基地に対するウクライナ軍の攻撃を挙げている。今回の指摘は、ウクライナ軍の上層部がクリミア半島での攻撃について認めたもののなかで最も明確なものとなった。

クリミア半島にあるロシア軍航空基地へのミサイル攻撃を連続して成功させたと指摘。来年のウクライナ軍にとっての課題は、標的への距離が非常に遠くても、ロシア軍や他の占領地域に対して、こうした経験をさらに鮮明で具体的なものとすることだと述べた。

より高性能な兵器を同盟国から調達することは「移行期間」の解決策に過ぎず、ウクライナは国内の生産能力を向上させなければならないとしている。

ドネツク州やミコライウ市、オデーサ市、首都キーウでさえも依然としてロシア軍に支配される危険性があるとした。

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