米判事、特任弁護士の選任を承認 トランプ氏が要請

押収物の検証を巡りトランプ氏が要請していた特任弁護士の選任が認められた/Brandon Bell/Getty Images

2022.09.06 Tue posted at 17:15 JST

(CNN) トランプ前米大統領が自身の邸宅「マール・ア・ラーゴ」の家宅捜索をめぐり、押収された証拠物の検証にあたる「特別補佐官(スペシャル・マスター)」と呼ばれる特任弁護士を選任するよう連邦地裁に求めたことを受け、地裁のアイリーン・キャノン判事は5日、この要請に応じる判断を下した。

スペシャル・マスターは、証拠物の中にトランプ氏側が開示を拒否できる資料がないかどうか、第三者の立場から検討する役割を果たす。

キャノン氏はトランプ氏と司法省の双方に対し、9日までにスペシャル・マスターの候補者を挙げたリストを提出するよう指示した。

また司法省には、スペシャル・マスターによる検証が完了するまで証拠物を調べる作業を中止するよう命じた。

キャノン氏は2020年にトランプ氏が判事に任命した人物。トランプ氏は先週末、北東部ペンシルベニア州での集会で、司法省や連邦捜査局(FBI)による「とんでもない法の乱用」を非難していた。

トランプ氏は家宅捜索で憲法上の権利が侵害されたと主張してきたが、キャノン氏は現時点で重大な権利侵害を裏付ける事実は見つかっていないとの立場を示した。

一方でスペシャル・マスターを任命する理由のひとつとして、この件をめぐる偏向やメディアのリークが取りざたされるなか、秩序ある手続きが完全に守られることを保証する必要があると説明した。

トランプ氏の自宅を捜索した際、見つかった文書類

司法省はすでに内部の「選別チーム」がチェックを終え、弁護士と依頼者の間のやり取りを秘密にできる「秘匿特権」の対象になり得るとして少数の資料を除外したと主張してきた。スペシャル・マスターが検証する場合も、秘匿特権の対象になるかどうかに的を絞るよう求めている。

これに対してトランプ氏側は、もともと「大統領特権」で開示を拒否できる資料があるとの理由でスペシャル・マスターの任命を要請した。

前大統領が現政権に対して大統領特権を行使できるかどうかについて、法律上の結論は出ていない。ただ大統領特権を主張すること自体は可能だというのが、キャノン氏の立場だ。

キャノン氏はスペシャル・マスターの任務について、証拠物に秘匿特権または大統領特権、あるいはその両方が適用される可能性を検証することになると述べた。

同氏は双方に、スペシャル・マスターの任務や権限の範囲についての交渉も指示し、合意に達しない場合は意見の相違を説明した文書を提出するよう求めた。

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