(CNN) 国際原子力機関(IAEA)の専門家チームは1日、ロシアに占拠されたウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所を訪問した。チームの大半は同日のうちに原発から離れた。
ザポリージャ原発を訪問したのはグロッシIAEA事務局長を含む専門家14人。原発が絶えず砲撃にさらされ、核事故の懸念が高まる重大局面での訪問となった。
砲撃が発生する中、チームの移動は危険を伴うものになった。ロシアとウクライナ双方の当局者は、付近の街エネルホダルで午前中に攻撃があったことを確認した。
ウクライナの原発運営企業エネルゴアトムによると、ロシア軍の迫撃砲攻撃により、稼働中の原子炉2基のうち1基が停止。ウクライナの当局者はまた、原発に向かうIAEA調査団の事前合意したルートをロシア軍が砲撃したと非難した。
グロッシ氏は砲撃が発生しても発電所を訪問する決意は固かったと述べ、「ここまで来たからには止まるつもりはなかった。私の勇敢なチームとともに現場入りした」と訪問後に記者団に語った。
ロシア国営RIAノーボスチ通信が公開した動画によると、原発滞在中、チームは「多くの」情報を収集し「重要なもの」を見ることができたという。
グロッシ氏自身はすでに原発を離れたものの、同氏はIAEAは「どこにも行かず」、原発に「引き続きとどまる」としている。
エネルゴアトムの声明によると、グロッシ氏の出発後、IAEAの調査チームのうち5人が現時点で原発に残っている。残った調査官は9月3日まで原発に滞在する見通しだという。