米韓連合師団、初の実弾演習 非武装地帯からわずか30キロ

韓国と米国の合同実弾軍事演習=8月31日/South Korean Defence Ministry

2022.09.01 Thu posted at 14:00 JST

韓国・抱川(CNN) 米韓連合師団は8月31日、2015年に創設されてから初となる実弾を使った軍事演習を実施した。今回の軍事演習について、米韓同盟の力強さを世界に示すとしている。

演習は侵攻してきた軍隊に対して反撃を行うという想定で行われた。米韓首脳は5月に韓国ソウルで開催された首脳会談で、軍事面での協力強化を約束していた。

北朝鮮は今年に入り18回におよぶミサイルの発射試験を行っている。北朝鮮によるミサイルの試射数は20年は4回、21年は8回にとどまっていた。

CNNは軍事演習の取材に招待された西側メディア2社のうちのひとつ。

米韓連合師団の副司令官を務める米軍第2歩兵師団のブランドン・アンダーソン大佐はCNNの取材に対し、「米韓以上に強力な同盟は世界に存在しない」と述べた。

米韓の戦車や迫撃砲は、ソウル北方の山間部に配備された敵軍の兵士や装甲車などを模した標的に対して攻撃を行った。

米韓連合師団は敵勢力について特には明言しておらず、今回の演習は防衛的なものだと説明した。しかし、演習が行われた場所は韓国と北朝鮮を隔てる非武装地帯(DMZ)からわずか30キロしか離れていない。

韓国と米国の合同実弾軍事演習=8月31日

韓国軍側の司令官は、米韓連合師団について、米軍の能力と韓国軍の作戦と地形に対する知識が組み合わさることで朝鮮半島で最高の能力を発揮することができると述べた。

米韓両軍は演習場の丘の上に設けられた指令センターで、韓国軍のK1戦車と米軍のM1エイブラムス戦車のための標的に関する情報を共有したほか、韓国軍のK9自走榴弾(りゅうだん)砲と米軍のM109自走榴弾砲に対して丘の中腹の後ろからの砲撃を要請した。

指令センターは、約1.6キロ離れた向かい側の山の斜面から煙が現れてから5秒後に激しく揺れた。


実弾を使った軍事演習は米韓連合師団が創設されてから初となる/South Korean Defence Ministry

今回のような軍事演習は18年以来の実施となった。当時のトランプ米大統領がこうした軍事演習の停止を指示。トランプ氏は北朝鮮指導者の金正恩(キムジョンウン)氏と外交協議を進めるなか、軍事演習に否定的な見方を示していた。しかし、トランプ氏と当時の韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は北朝鮮による核やミサイルの開発をとめることができなかった。

米韓連合師団、初の実弾演習

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