(CNN) ドイツ・フランクフルトのカップルが数年前から世界各地の映画ロケ地を訪れ、名場面の再現写真を撮ってインスタグラムに投稿している。実際に出演したスターたちからもコメントが寄せられた。
ロビン・ラハハインさん(32)とジュディス・シュナイダーさん(31)は2人で一緒に旅行するようになってから、次の旅では何か特別なことをしようと思い立った。「楽しそう」と2人の意見が一致したのが、ロケ地での名場面再現だった。
最初は2014年、チェコのプラハにある橋で撮影した「ミッション:インポッシブル」(1996)の一場面。服装やメイクもそろえ、主演のトム・クルーズと同じポーズを決めようとしたところで、激しい雨が降り出した。
2人はしかたなく、翌日やり直すことにした。
その後の数年間でイタリアのローマからアイスランド、米国のニューヨーク、さらにはユタ州まで足を延ばし、「テルマ&ルイーズ」「ハンガー・ゲーム」「食べて、祈って、恋をして」「プラダを着た悪魔」などの映画や、「ゲーム・オブ・スローンズ」「ダウントン・アビー」などのテレビドラマに挑戦した。
18年にはインスタグラムで自分たちのアカウントを立ち上げた。今ではフォロワーが5万3000人を超え、その中にはヒラリー・スワンク、マリオン・コティヤールらアカデミー賞俳優も名を連ねている。
最初は自宅のリビングに飾るために写真を撮っていた。合成写真だろうという友人たちに、本当にその場所へ行き、登場人物と同じ服装、同じ角度で撮影したと話すと、随分驚かれた。
「ラ・ラ・ランド」(2016)でエマ・ストーンとライアン・ゴズリングが踊っていた場所を突き止めるまでには何時間も歩き回った。
ニュージーランドでアクション映画「紀元前1万年」(2008)に出てくる岩を捜した時は、地元住民らが手伝ってくれたという。
「TENET テネット」(2020)のロケ地、イタリア南部ラベッロのホテルや、「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」に出てくるイタリア北部のコモ湖などでは、撮影許可を取る必要があった。
衣装はあまり買わず、友人たちから借りたり、アクセサリーを手作りしたりした。
特に評判がいいのは、ユタ州のモニュメント・バレーで撮った「フォレスト・ガンプ/一期一会」(1994)の場面。本物に近づけるため、旅行者のグループに頼んで後ろに立ってもらった。
オランダ・アムステルダムの運河沿いのベンチで青春映画「きっと、星のせいじゃない。」(2014)の場面を再現した時は、観光客がいなくなるまで長時間待ち続けた。
「P.S.アイラヴユー」(2007)の再現には、「本物」のスワンクから「これは素晴らしい」と称賛のコメントが届いた。
最初にメッセージを投稿してくれたスターは、「ダウントン・アビー」のトム・カレンだった。当時のアカウントはまだ「投稿写真3枚、フォロワー300人くらい」だったと、シュナイダーさんは振り返る。
パンデミック期間中もドイツ国内で撮影を続け、20年夏にはイタリア訪問を果たした。最近はロケ地めぐりのコツを伝える電子書籍の執筆に専念している。
2人がこれまでに再現した映画やドラマは約100本。近い将来、ロンドンやニューヨーク、オーストラリアを訪れたいという。シュナイダーさんは「行きたい場所がたくさんある。まだ何年も続けることになりそうだ」と語った。