「絶望と怒り」の日々 米独立記念日の銃乱射で下半身不随の男児

8歳のクーパー・ロバーツ君は銃乱射で傷を負い、腰から下がまひ状態になった/Roberts Family

2022.08.19 Fri posted at 06:59 JST

(CNN) 米独立記念日の先月4日、米中西部イリノイ州シカゴ北郊のハイランドパークで起きた銃乱射事件でパレード参加中に撃たれ、腰から下がまひ状態になった男児は、今も「絶望と悲しみ、怒り」の中にいる。

同事件では犯人の男が建物の屋上から群衆に向かって銃を乱射。7人が死亡し、数十人が負傷した。

クーパー・ロバーツ君(8)は一命を取り留めたが、その先に待っていたのは終わりの見えない痛みとリハビリの毎日だった。

ロバーツ君は事件の前まで、いつも元気に走り回り、サッカーや野球、フットボールなどのスポーツと自転車が大好きな男の子だったという。

家族は16日の経過報告で、銃撃がもたらした「幾重にも重なる残酷さ」を語り、「ほとんどの人たちは、こんな大けがをした後の苦しい経過を目にすることなどない」と述べた。

クーパー君はこれまでに何度も手術を受けた。担当医らは臓器の修復と感染防止に力を尽くしてきた。

クーパー君は今月、小児集中治療室からリハビリ施設に移った

家族の報道担当者によると、小児集中治療室で1カ月近くケアを受けてから、リハビリ施設に移った。その後も治りにくい体内の傷を抱え、痛みと闘っている。

常に抗生物質の点滴を受け、流動食からやり直そうとすれば胃に痛みが走り、強い鎮痛剤の投与が続いている。

最近になって固形食を始める許可が出たものの、ひと口かふた口食べただけで「満腹感と吐き気」が襲うという。

カテーテルや3本の管、2カ所の点滴ポートが付いた状態で、毎日厳しい理学療法や作業療法に取り組むうちに、本人も体の動きが大きく制限されることを自覚し始めた。

精神的な負担も大きい。新型コロナウイルス感染対策のルールで家族とは週に一度しか面会できないが、家族のいる自宅に帰りたい、3年生になる双子のきょうだいと一緒に早く学校へ戻りたいと訴える。だが家族は、それが何週間も先のことになりそうだと分かっている。

「必ずまた楽しい日が来ると思ってもらうのが、とても難しい」と、家族は言う。「もちろん生きていてくれることに感謝してもしきれないし、こんなに幸運な人ばかりではないことも分かっている。それでも、本人と私たち家族の道はとても長く険しいことを、皆さんに知ってほしい」

資金調達サイト「ゴーファンドミー」では、一家を支援するための募金運動が展開されている。

銃乱射で下半身不随の米男児、長いリハビリの日々

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