中国で干ばつ対策の人工降雨、記録的猛暑で長江干上がる

干上がり地割れの見える長江=16日、中国重慶市雲陽/Visual China Group/Getty Images

2022.08.18 Thu posted at 15:00 JST

香港(CNN) 記録的な猛暑と干ばつに見舞われている中国で、長江の一部が干上がるなどの被害が深刻化し、航空機から雲にロッドを打ち込んで人工的に雨を降らせる対策が講じられている。

長江流域では複数地域が天候改変プログラムを打ち出したが、雲が薄すぎて計画が実行できない地域もある。

水利省は17日、長江流域の干ばつが「人と家畜の飲料水の安全や作物の成長に悪影響を及ぼしている」とする通知を出した。

中国中部の湖北省は同日、ヨウ化銀ロッドを打ち込んで雨を降らせる計画を発表した。

ヨウ化銀ロッドはたばこほどの大きさで、雲の中に打ち込んで氷粒をつくり、水分を重くすることで雨を降らせる仕組み。

人工降雨は1940年から行われており、中国は2008年の北京オリンピックでも、晴天を保証するため開幕前に人工的に雨を降らせていた。この技術は雪を降らせたりひょうを抑えたりする目的でも使用できる。

プールで暑さをしのぐ人々=12日、中国・浙江省湖州市

湖北省の非常事態管理当局は16日、同省では少なくとも420万人が6月以来、深刻な干ばつの影響を受けていると指摘した。15万人以上が飲料水を確保しにくくなり、猛暑と干ばつのため約40万ヘクタールの作物に被害が出ている。

気象当局は17日、熱波に対して最高レベルの警戒を呼びかける赤色警報を少なくとも138の自治体に発令し、373自治体には上から2番目に高いオレンジ警報を出した。

国家気象センターによると、中国の熱波は15日で64日目となり、記録を取り始めた1961年以来で最長となった。今回の熱波は観測史上最も過酷で、今後数日でさらなる悪化が予想されるとしている。

40度以上を観測した測候所は過去最高の262に達し、8地点では44度を観測した。

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